レスター・シティにとっても、岡崎慎司にとっても、最後までチグハグな試合だった。 9月30日に行なわれたプレミアリー…
レスター・シティにとっても、岡崎慎司にとっても、最後までチグハグな試合だった。
9月30日に行なわれたプレミアリーグ第7節、ボーンマスvs.レスター戦。公式戦で2試合連続ゴール中の岡崎は2トップの一角として先発した。ところが、この日のレスターは歯車が噛み合わない。得意のプレッシングサッカーが機能せず、立ち上がりからボーンマスの猛攻を受けた。

チャンスでゴールを奪えずに悔しがる岡崎慎司
そのなかで、岡崎も大きな存在感を示せなかった。FWジェイミー・バーディーと一緒にプレスをかけようとするも、うまくかわされてしまう。そして、中央に陣取るバーディーと岡崎がプレスをかけにくい、敵のサイドバックから攻撃を組み立てられてしまった。岡崎は言う。
「いつも通りやるつもりだったんですけど、相手チームのボランチのふたりが互いに出たり入ったりしてきて。そのボランチのところで自分たちがインターセプトを狙ってという感じだったんですけど、今日はあそこで収められてしまった。しんどかったですね」
レスターは全体的に動きが重く、パスもうまく回らない。攻守両面でリズムをつくれず、ボーンマスの攻勢が目立つ内容で試合は進んだ。
苛立ちは選手からも伝わってきた。17分にはリターンパスを送れない味方に、岡崎が両腕を広げて「なんで?」とジェスチャー。53分には最前線のバーディーが中盤以下の味方に対し、「もっと押し上げてプレスに行け」と身振り手振りで鼓舞していた。いつ失点してもおかしくない試合展開のなか、岡崎自身もなかなかチャンスに絡めなかった。
岡崎、そしてレスターにとって、最大のチャンスは60分に訪れた。
前方に走るバーディーにロングパスが出ると、イングランド代表FWに追走しながら岡崎がペナルティエリア内に侵入。バーディーがダイレクトで岡崎の足もとに落とすと、日本代表FWはゴール前でボールを受ける。そのまま右足のインサイドキックでゴールを狙ったが、枠を捉えきれずゴール右にそれていった。レスターにとって、この試合一番の決定的なチャンスであった。
「今日はやっぱり、あのシュートでした。『あれを決めれば』という感じでした。今日は内容もよくなかった。チームとしても相手のほうが格段によかった。
そのなかで、あのゴールシーン。決定的なシーンで、深読みしすぎたこともあったんですけど。相手がシュートコースをクローズしてきたので、その逆側を狙うという意味ではよかったんですけど。決定的なチャンスだった。ああいうところを決められればデカい」
その9分後、岡崎はFWケレチ・イヘアナチョと交代を命じられた。だが、チームパフォーマンスは一向に改善せず、0-0のスコアレスドローでプレミアリーグ第7節を終えた。レスターにとって、消化不良の感が強い一戦になった。
岡崎にとっては、9月28日に日本代表メンバーが発表された直後の試合だった。ご存知のとおり、親善試合・ニュージーランド戦(10月6日/豊田スタジアム)とハイチ戦(10月10日/日産スタジアム)のメンバーから岡崎は外れた。今季イングランドで4ゴールを記録し、コンディションも調子も良好。だが、「あまり試合に出ていなかった選手に機会を与えたい」(ヴァイッド・ハリルホジッチ監督)との言葉どおり、若手FWの起用を優先するために岡崎の招集は見送られたのだろう。
本人としては、10月の代表ウィークを休養にあてて、英気を養うという。
「代表の定義というか、必要とされていれば行きます。でも、海外で長くやっていて、必要とされたときに呼ばれるのが自分としては一番うれしいことなんで。呼ばれなければ、こっちで休みます。(今回は)休むっていうスタンスなんですけど、選手を試すという意味では、自分はそこまで必要ではない、とされていると思うんで。
ただ、ワールドカップで必要な選手が最終的に必要となるわけで、それは(日本代表でも、海外でも、Jリーグでも)どこで活躍しても必要な選手が必ず呼ばれると思う。だから、その分だけがんばるだけですね」
今回のボーンマス戦で改めてわかったのは、岡崎の出来――特に「献身的な守備」の出来がチームパフォーマンスに直結することである。
岡崎としてはゴール数を伸ばしたい。特に相手がビッグクラブではない場合は、前傾姿勢になるのが自然なことだろう。しかし、岡崎を軸としたプレッシングサッカーが機能しない、あるいはハマらないと、レスターは苦戦を強いられる。そうなると、日本代表FWのゴールチャンスも必然的に少なくなる。
ボーンマス戦はチーム全体の動きが散漫だったのが苦戦の主因だが、岡崎とバーディーを軸にしたプレスが機能しないと、レスターの攻撃には勢いが生まれない。まずは、積極的な守備ありきの攻撃。攻撃と守備のバランス取りの難しさを、岡崎も感じたのではないだろうか。
レスターの次戦は10月16日にホームで行なわれるWBA戦。第2節を最後に勝利から見放されているレスターとしては、この一戦に勝って仕切り直したいところだ。