【実は長距離の「勝率」がいいリアルスティール産駒】 3月23日(日)、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅡ阪神大賞典(芝3000m)が行なわれる。 このレースは、5月4日に行なわれるGⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)の重要なステップレースだ。…
【実は長距離の「勝率」がいいリアルスティール産駒】
3月23日(日)、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅡ阪神大賞典(芝3000m)が行なわれる。
このレースは、5月4日に行なわれるGⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)の重要なステップレースだ。2023年の勝ち馬ジャスティンパレス、2024年の勝ち馬テーオーロイヤルは続く天皇賞・春も勝利。2021年、22年と連覇したディープボンドは2年連続で2着に入っている。昨年の天皇賞・春は、阪神大賞典で3着だったブローザホーンが2着、同7着のディープボンドが3着と、天皇賞・春を占う上で必見のレースと言える。
レースを血統的視点から占っていこう。今回、筆者が本命に推したいのはヴェローチェエラ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
重賞初勝利を狙うヴェローチェエラ
photo by 山根英一/アフロ
父リアルスティールは、現役時代にGⅠドバイターフ(メイダン・芝1800m)を勝利。GⅠサウジC(キングアブドゥルアジーズ・ダート1800m)を勝ったフォーエバーヤングの父として知られる。
その他の産駒も、GⅡオールカマー(中山・芝2200m)のレーベンスティール、地方交流GⅡ東京盃(大井・ダート1200m)のチカッパなど、芝・ダート問わず短距離から中距離で活躍するイメージが強い。リアルスティール自身も芝1800mで全4勝を挙げているが、芝3000mの菊花賞でもキタサンブラックとタイム差なしのクビ差2着と、長距離戦でも強さを示していた。
産駒が3000m以上のレースに出走するのは今回が初めて。芝で勝利が多いのは30勝の1800m、24勝の2000mと、やはり最適条件は中距離のようだが、2200mの勝率は16%(50戦8勝)、2400mの勝率は18.5%(27戦5勝)、2600mの勝率は12.5%(16戦2勝)と、出走数が少ないながらも好成績を残している。
ヴェローチェエラは2200mで1勝、2400mで2勝、2600mで1勝と、まさに長距離で結果を残している一頭。昨夏から秋にかけては3連勝もあった。
前走のGⅡ日経新春杯(中京・芝2200m)は4着と敗れたものの、一気の相手強化と、それまでに経験したことのない速い流れ(1000m通過57秒7のハイペース)に巻き込まれながら大敗しなかった走りは評価できる。今回は距離延長で慣れたレースの流れになりそうなため、巻き返しが期待できそうだ。
【もう1頭は3000mに強いゴールドシップ産駒】
もう1頭はゴールデンスナップ(牝5歳、栗東・田中克典厩舎)を推す。父ゴールドシップはこのレースを3連覇(2013~15年)し、天皇賞・春などGⅠを6勝した名馬。産駒も長距離戦を得意としていて、年明け1月に開催される万葉S(中京・芝3000m)では、2022年マカオンドール、2024年メイショウブレゲ、そして2025年ゴールデンスナップと、直近4年で3勝を挙げている。
3000m戦はレース自体が少ないとはいえ、ここ10年の4勝、2着3回という好成績。それは、大種牡馬ディープインパクトに続く数字だ。
ゴールデンスナップは今年の万葉Sの勝ち馬で、初のオープン競走での勝利だった。昨年の阪神大賞典にも出走したが、そこでは5着。暮れのGⅡステイヤーズS(中山・芝3600m)も4着と敗れているが、レース経験を重ねた今回は勝利のチャンスが十分にあるだろう。
ゴールデンスナップの配合を見ると、母の父にGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)馬タニノギムレット、祖母の父に米三冠馬アファームド、曽祖母の父に英三冠馬ニジンスキーと、母系の奥に並ぶ血も超一流。勢いに乗っての重賞初制覇に期待する。
以上、今年の阪神大賞典は、リアルスティール産駒ヴェローチェエラ、ゴールドシップ産駒ゴールデンスナップの2頭に期待する。