「部活生の強さをひきだすプロジェクトRiseUp」は、憧れのアスリートや元トップアスリートが全国の部活動クラブを訪ね、技…

「部活生の強さをひきだすプロジェクトRiseUp」は、憧れのアスリートや元トップアスリートが全国の部活動クラブを訪ね、技術指導や金言によって選手のポテンシャルを伸ばそうという応援事業だ。

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7回目の特別ゲストはサッカー元日本代表の松井大輔さんだ。2000年に鹿児島実業高校から京都パープルサンガでプロデビュー。巧みなドリブルや華麗なテクニックを持ち味とし、2004年から約10年愛沙、数々の海外リーグでもプレー。また日本代表として国際Aマッチ通算31試合1得点を記録。サッカーとフットサルの二刀流にも挑戦するなど活躍の場を広げ、2024年2月にキャリアに幕を下ろした。

現在は指導者のほかに、一般社団法人日本フットサルトップリーグ理事長を務める松井さんを講師に招き、高校サッカー名門校で、今冬の全国高校サッカー選手権準優勝の流通経済大学付属柏高校(柏市)にサプライズ訪問し特別レッスンを行った。

まだ寒さが残る3月上旬平日の午後。流経大柏の多目的ホールで、株式会社 明治の管理栄養士・石井礼菜さんによる栄養講座が行われた。今回はサッカー部とスポーツ進学クラスの生徒約80名が参加。スペシャルゲストの松井さんが登場すると生徒たちの驚きと興奮の声、そして大きな拍手が響き渡った。

「皆さんは上を目指したいと考えていると思います。意識の高い人、アンテナを立てている人は上に行くと思うので、栄養のところで自分に何が足りないのかを考えながら聞いてもらえるとありがたいと思います」と松井さんは挨拶。そして高校時代を振り返りターニングポイントについて「高校3年間が一番重要で、練習もですが、毎日、口にするものも大事だと思ったのが高校時代でした」と明かした。

栄養講座が始まると石井さんは「食事はカラダづくりの土台」であることを説明する。スライドを使い食事がカラダづくりやコンディショニングの維持、パフォーマンスの向上につながることを丁寧に説く中で、成長期の選手に大事なこととして、食事の質や炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの栄養素を万遍なく摂ることの重要性を伝えると真剣にメモを取る生徒の姿があった。

石井さんは「これらを意識することを継続し、今日から食事を変えていただけたらと思います」と話した。そして筋肉は栄養と休養によって修復され強くなっていくことから、練習後の食事について、たんぱく質を摂取することの大切さなど改めて食事がカラダづくりの要になることを示した。

その後、松井さんは高校生の頃を振り返りながら、「高校生のときは無理がきく。僕も練習は本当にたくさんやった。でもケガをしないことが何より大事だ。ケガをしてしまうと積み上げてきたものが一気に失われてしまうから」と述べ、成長期の選手に向けて重要なアドバイスを送った。「自分の限界を少しずつ上げていくことが大切です。できる限りケガを避けるためには、食事を通じてカラダづくりの土台を作ることが重要」と強調した。

松井さんの言葉は、参加者にとって非常に響いたようだ。講座を受けた生徒たちは、「練習後に何を食べるべきかを意識するようになりました。これからは食事にももっと気を使いたいと思います」と話し、この栄養講座が有意義な時間になったことを感じていた。

続いてサッカー部へ向けた松井さんの特別レッスンが行われた。

部員がグラウンドに集合し「お願いします」と松井さんに挨拶をすると、直ぐにランニングをスタートさせる。松井さんもストレッチやリフティングなどを行い体に熱を入れる。その後、ボール回しのメニューが加わると華麗なテクニックを披露しワンタッチパスでボールを繋ぐなど生徒と共に心地良い汗を流すと1対1のドリブルレッスンがスタートした。攻撃側はドリブルで目の前に対峙する守備を抜き去りシュートにまで持っていく。

松井さんは身振り手振りで、相手を抜き去るドリブルの技術や縦方向に突破するためのタイミングについて「自分と相手の間合い大事にしよう」と惜しげもなく手法を伝授した。トレーニングは次第に熱を帯びていき、相手を抜き去りシュートが決まると「上手くなっているよ!」、「OK!OK!」と選手たちに声をかけていた。

「みんな素直に聞いてくれますし、言ったことを理解しながらプレーする飲み込みが早い。1対1に自信を持てるところが出てきたので良かったと思います」とコツを掴んだことでドリブル突破の成功率は着実に上がっていた。

次にクロスを主体としたメニューでは、松井さんはクロスの狙い方とクロスが上がった時のポジショニングなどを伝えると、その後に行われた紅白戦を見届ける。「上位に行くためには気持ちの部分が大きい。一人ひとりが自分に足りないところを分析し考えながらプレーをして欲しいと思います」と助言した。

そして、この日のラストメニューでは松井さんと選手たちとのボレー対決が実施された。3選手と対決したがゴールキーパーにキャッチされるなど、どちらもゴールを割れず、まさかの延長戦に突入。流経大柏の5人目が失敗に終わったあと、松井さんが右足ボレーシュートを炸裂させると「うお~」と大きな歓声が上がった。

レッスン終了後には、質問コーナーが設けられ「長い間、サッカーをプレーしていて一番大事だと思ったことは?」と訊かれると「メンタルと結果です。グラウンド上では一番自分が上手い、そして結果を残せると思うこと。結果を残せた時にこそ、壁を越えられます。練習を重ね試合で結果を残すことの繰り返しです。それで人は変われます」と熱いエールを送っている。

レッスンを終えて、キャプテンの増田大空くんは「プロで長年やってきた方と一緒にボールを蹴れたこと、お話しを聞けたことはサッカー人生で重要なことになったと思います」と御礼の言葉を述べると「今回のことを今後に生かしていきたいと思います。プレミアリーグ優勝と、昨年、一歩届かなかった高校サッカー選手権の優勝を目指し、今年は自分が引っ張って日本一のチームにさせたいです」と意気込みを述べた。4月5日に今季のプレミアリーグは幕を開ける。選手たちは、この日に学んだ食生活や練習法やサッカーとの向き合い方を生かし成長していくことだろう。

松井さんは「楽しかったですね。指導する中で選手が変わっていく姿が見られたことが良かったです。みんなが笑顔になっていたので良かったと思います」と柔和な顔でこの日の感想を口にした。

7回目となった「部活生の強さひきだすプロジェクトRiseUp」。高校サッカーの頂点を目指すためには、日々の練習を積み重ね試合で表現することや栄養管理を含めたカラダづくりが欠かせないことが松井さんと石井さんから伝授された。スポーツ選手にとって高校生年代が非常に大切な時期だと言われる。このプロジェクトが流済大柏サッカー部の「強さ」をひきだす、きっかけになったことに間違いない。

次回はどんなアスリートが、どの学校やクラブを訪れのかに注目だ。

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