3月19日、三遠ネオフェニックスの根本大は川崎市とどろきアリーナで行われた川崎ブレイブサンダースとの「りそなグループ B.L…

 3月19日、三遠ネオフェニックスの根本大は川崎市とどろきアリーナで行われた川崎ブレイブサンダースとの「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON」B1第25節を終え、「ディフェンスでは足を動かしてできたし、初得点も決められたので、自分的には手応えのある試合だったかなと思います」と自身のBリーグデビュー2戦目を振り返った。

 リーグ最高勝率を記録する三遠に加入した22歳の特別指定選手は、第2クォーターに相手の8秒バイオレーションを誘発すると、第3クォーター残り2分23秒にバンクショットで3ポイントシュートを成功。同じポイントガードを本職とする湧川颯斗が第1クォーターに負傷退場したこともあり、追い上げに遭った第4クォーターもコートに立った。14分39秒のプレータイムで3得点2アシストをマーク。連勝街道を突っ走るチームの勝利に一役を買った。

 かつて千葉ジェッツをBリーグ制覇に導いた三遠の大野篤史ヘッドコーチいわく「素材はピカイチだと思っている」。そんな根本について、B2の熊本ヴォルターズで経験を積み、三遠で日本代表に上り詰めたガードを例に出して言及した。

「最初は彼の持ち味であるアグレッシブにディフェンスするのではなく、そつなくこなそうとする感じに見えました。スキルコーチから『前からしっかりとプレッシャーをかけよう』という指示があり、いいターンオーバーを誘ってくれました。3ポイントシュートもあり、彼の良さが出ていたと思っています。(彼が)失うものは何もありません。トライしていかなければ、課題も収穫もこのリーグを戦っていく上で見つかりませんから。もっともっとチャレンジしてもらいたいと思っています。(佐々木)隆成のようなプレーヤーになっていけるのではないかと期待しています」

 180センチ75キロのポイントガードがBリーグのコートに初めて立ったのは、12日に豊橋市総合体育館で開催されたB1第24節の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦。「デビューしてから少しずつ(プロの)実感が湧いてきました」と明かしつつ、大学との違いを感じながらも「少しずつアジャストできればいいと思っています」とも話した。

 多くのプロ選手を輩出する白鴎大学で2年次から試合に絡み、4年次の「第100回関東大学バスケットボールリーグ戦」で敢闘賞に輝いた有望株。三遠からは「早い段階から声を掛けていただいた」というが、白鴎大で指揮を執る網野友雄部長兼監督の助言を受けて強豪チームでプロキャリアを歩み始めた。

「チームを決める時、網野さんに相談したら『大野HCをはじめ素晴らしいコーチがそろっているよ』と言っていただき、その言葉を信じて三遠を選びました。ディフェンスは大学でも自信を持っていたので、Bリーグに入ってもやれるなと。ただ、オフェンスでは三遠の速いバスケットに対し、自分の判断の迷いがあり、(コーチから)アドバイスをもらっているところです。課題ですけど、やり続けていけば、バスケットボールプレーヤーとして成長できる環境が整っている思います」

 また、「似たようなタイプで手本となる」佐々木の存在も大きかったという。三遠には「タイプが全然違う」大浦颯太も在籍しており、日本代表を経験したガード陣とともに過ごすことで「いろいろなことを吸収していきたい」と意欲を見せた。

 試合前のウォーミングアップでは軽々とダンクを叩き込んだ。初めて成功したのはつくば秀英高校での「1年生か2年生の時」。高い身体能力を誇り、「スピードとジャンプには自信があります」と胸を張った。

「(将来は)日本代表に入って活躍したいです。そして、佐々木選手を超えるようなプレーヤーになりたいと思っています」。また1人、将来有望な若手がBリーグの舞台に登場した。

取材・文=酒井伸

【動画】根本大 激しいディフェンスで8秒バイオレーションを誘発