日本代表の森保一監督が、史上最速でのワールドカップ出場を決めた戦いを振り返った。 20日、日本代表は、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーン代表と対戦した。 ここまでの6試合で5勝1分けと圧倒的な強さを見せてきた日…

日本代表の森保一監督が、史上最速でのワールドカップ出場を決めた戦いを振り返った。

20日、日本代表は、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーン代表と対戦した。

ここまでの6試合で5勝1分けと圧倒的な強さを見せてきた日本は、この試合に勝利すれば8大会連続8度目のW杯出場が決定。また、3試合を残しての決定となれば史上最速での決定となった。

試合は前半はバーレーンのコンディションの良さと準備のおyさで難しい展開に。ゴールレスで終わると、後半も簡単には戦わせてくれない。それでも、選手交代で流れを変えると、鎌田大地、久保建英にゴールが生まれ、2-0で勝利。ホームに集まった5万8000人を超える大観衆の前で、W杯出場権を獲得した。

試合後にはセレモニーも行われ、森保監督はファン・サポーターへ挨拶。選手たちからは寒空の下で水を大量にかけられるなどしたが、記者会見では感謝の気持ちを示した。

「試合というよりも今思い浮かんできているのは、色々な感謝の気持ちです。今日の試合も含めて、厳しい戦いが続いた中、我々が戦って来れたのは現地で応援してくださっているサポーターの皆さん、ここにおられるメディアを通して応援してくれるサポーターの皆さん、日本の国民の皆さんに応援されたからこそ、我々も今日の結果に繋がったと思いますので感謝を申し上げたいと思います」

「試合は戦前から厳しい、難しい戦いになるなと思っていました。理由はバーレーンの選手の方が事前に国内キャンプ、日本に来てからも期間を長く準備ができているからです」

「我々の対策も万全にしてきていたと思いますし、コンディション的にも我々はホームですが、日本の選手よりもバーレーンの選手の方が時差対策、気候対策、環境への対策等々も万全にできていると予想されたので、厳しい戦いになるかなと選手たちも共有していました」

「選手たちも前半からなかなか理想的な戦いができない中で、無失点に抑えながらも我慢強く、粘り強く試合を進めていく。そして、後半は自分たちにも続けた先にもチャンスが来るだろうと、タフに粘り強く戦ってくれたおかげで、今日の勝利に繋がったと思います」

しっかりと勝利を収めた日本。改めて、森保監督はW杯出場を2大会連続で決められたことを振り返った。

「今日の試合はW杯の出場に王手がかかった状況の中で、4戦で1勝すれば自力で、途中で対戦相手の状況で変わるかもしれませんが、今日勝って決めることを選手たちとも共有していましたし、最後に送り出す言葉でも勝って決めるというものでした」

「選手たちもこの一戦一戦を全力で戦っていく中で、勝利を目指すというところはこれまでやっていた考えの中で全力を尽くしてくれていたと思いますし、W杯を決める勝利を意識して戦ってくれたと思います。この1勝だけではなく、この1勝1勝の積み上げがW杯につながる、自分たちの成長につながる戦いをしてくれたと外から見ていて感じました」

しっかりとプレーした選手たちを称えた森保監督。この試合でも、途中出場の鎌田がゴールを決めたが、この最終予選では途中出場の選手や、ベンチ外になる選手たちも含めて戦ってきたとした。

「今日もそうですが、これまでの戦いもチーム一丸となって、スタメン、サブ、メンバー外の選手も含めて試合に挑もうということ。そして、スタメンがまず出し切る戦い方をしながらも、スタメンの選手がつなげて勝っていく、チームでバトンを渡しながら繋げて勝つというところを、今日も選手たちは体現してくれたと思います」

「スタメンがレギュラーということがあるかもしれませんが、我々の考え方では全員がレギュラーだと。スタートで出るか、サブで出るかというところで、力を持った選手たちがその役割の中でチームで繋いで勝つというところを表現してくれて、体現してくれていることが今日の結果に繋がったと思います」

バーレーン戦でも選手交代がハマった形だが「監督に閃きはありません笑」と自虐的に語る森保監督。全ては選手たちのパフォーマンスだとした。

「選手たちが日常の自チームでプレーで見せてくれて、代表の活動の中で練習からパフォーマンスを見せてくれていることで判断して送り出しているところがあるので、私自身の閃きというよりも、選手たちが見せてくれていることが繋がったと思います」

「今日の試合に関しては、なかなかリズムが出ないまま、このまま1試合続くことも考えられている中で、全体として自分たちで理想通りにいかない中で、切れてしまわないように、選手たちが我慢強さと冷静さを持って戦ってくれました」

「(鎌田)大地を入れた時には、より起点となる部分と、ゴール前に得点を決めるために出ていく素晴らしい能力を持っているので、試合をコントロールしながら、チャンスをより広げていくこと。ゴールを決めてくれて、素晴らしい活躍をしてくれました」

「(伊東)純也に関しても、(堂安)律が頑張って前半から守備で貢献してくれて、攻撃でも起点となってくれる中で、純也は相手のゴールに推進力を持てるようにということで送り出しました」

選手がしっかりと役割を務める中で、結果がついてきている最終予選。前回大会は最終予選で苦しんだ末にアウェイで決着。今回はホームで決めたが心境の違いについても語った。

「正直、嬉しさが爆発するというよりも、ホッとしているという心境が両大会とも強くあります。嬉しいということはありますが、自分が監督をしている時に、W杯出場を途切らせてはいけないという思いがあるので、ホッとしているのが正直なところです」

「選手たちはW杯出場を決めて喜んでくれていますが、次に向けてのギラギラ感が本当に凄いので、次の試合に向けてどういうメンバー編成をしたら良いかと頭が切り替わっています」

すでに25日のサウジアラビア代表戦に向かっているという森保監督。この最終予選のターニングポイントについて問われると、「ターニングポイントということよりも、第1戦から凡事徹底を選手たちがしてくれていたことと、最終予選は甘くないぞということを、レベルが高い中で海外やJリーグで戦っている選手たちも簡単ではないと、気を引き締めて最高の準備をして全力で試合に挑んでくれた結果かなと思います」と、しっかりと戦っている結果だと言及した。

ただ「ターニングポイントとして思い浮かぶのは、最終予選の第2戦でバーレーンで戦った時に、1試合目で中国に大勝してバーレーンに乗り込んだんですが、今日のようにスタートはあまり自分たちのペースにならず、相手に攻め込まれるシーンがあった中で体を張って絶対に最後ゴールを割らせないというところ。相手のチャンスを体を張って選手たちが防いでくれた中で、自分たちのペースに持って行けたことは、今回の最終予選の中でも毎試合そういう形でピンチを防ぐことが序盤で出てきたので、その遠征の試合だと思います」と、アウェイでのバーレーン戦の戦い方ぶりが良かったと振り返った。

カタールW杯でベスト16。クロアチア代表にPK戦の末に敗れたが、グループステージではドイツ代表、スペイン代表にも勝っており、日本の存在感を世界に知らしめたと言って良い。

ただ、その後のアジアカップではベスト8で敗退。優勝を目指した中での失意を味わったが、その経験が選手たちを奮起させ、そしてW杯優勝という目標に向かう原動力にもなっているとした。

「理由は2つあって、1つは過去の経験でアジアカップで優勝を目指しながらもベスト8で終わってしまった。アジアの戦いの中で悔しい思いをしたことが、選手たちが戦う部分での意識の変化になったと思います」

「もう1つは、純粋にW杯で優勝したい、優勝するということを選手たちが目標に持っている中で、今の成長をどうしなければいけないのかというところを、目標と現実の中で一戦一戦勝利のためにと成長のために戦ってくれているという悔しさと、純粋な目標に向かって成長したいというところを持ち合わせていることがこの結果に繋がっていると思います」

これでW杯の切符を確保した日本は、およそ1年3カ月の時間をもらうこととなった。しっかりとチームをブラッシュアップしていくことが大事だが、次の目標は世界の頂。JFAはW杯への合言葉として「最高の景色を2026 FOR OUR GREATEST STAGE」を設定したことを発表した。

「最高の景色とは?と聞かれて、自分の中での想像はW杯のトロフィーをキャプテンが掲げているシーンがイメージできるかなと思いますし、W杯の決勝の舞台で日本が戦っているところを最高の景色とイメージしたいです」

「JFAが発表してくれたということで、実現できるようにしたいなと思っていますし、実現するために何をするかを考えていきたいと思います」

「映像が残っているかと思いますが、カタールW杯で監督をさせていただいた一番最後の瞬間に、まだ北中米W杯で監督をやると決まっていない時に、選手たちに投げかけた言葉が『最高の景色を目指してきたぞ。そうすればもっと成長が得られる』という趣旨の話をしていたので、その言葉を拾われているわけではないと思いますが、JFAのみなさんと同じ思いを共有できて、我々にとってやりがいのあるキャッチフレーズかなと思います」

前回大会前から指揮を執り始めて6年半。チームは間違いなく成長しており、そのレベルは世界で戦えるものになっている。ただ、森保監督は全てがうまくいっているわけではないとしながらも、選手たちの努力と、先人たちが積み上げたものが今の強さの理由だとした。

「試合をやっていく中で山あり谷あり、紆余曲折ある中で、少しずつ成長できているかなと思いますが、常に上を見ながらやっていくということ、少しでも前進できるという思いでやっていきたいということで、これまでもこれからも自分でできるベストを尽くしていきたいと思います」

「右肩上がりの理由で、要因はいくつか考えていますが、まずは日本のサッカーの歴史の積み上げで今我々が戦わせてもらえていると感じます。歴史を過去から努力して下さった選手や指導者、サッカーファミリーの皆さんの積み上げのおかげで、今の結果に繋がっていることは間違いなくあります。日本のサッカーの歴史の積み上げだと思います」

「歴史の積み上げの中で、選手たちが世界の競争の中で厳しいポジション争い、戦いの中で揉まれながら力をつけてくれていることが、今の結果に繋がっていると思いますので、選手たちの努力があってこそだと思いますし、選手を育てることに尽力して下さっている指導者、サッカーファミリーの皆さんの力が結果に繋がっていると思います」

【動画】史上最速でW杯出場決定! 日本代表がバーレーン代表を撃破

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