玄界灘の離島から甲子園初出場をつかんだ球児たちのプレーに、島ぐるみの声援が送られた。20日、第97回選抜高校野球大会の第3試合に登場した長崎県立壱岐高校(壱岐市)。球場のスタンドには島民らの大応援団が駆け付け、島ではパブリックビューイング…

 玄界灘の離島から甲子園初出場をつかんだ球児たちのプレーに、島ぐるみの声援が送られた。20日、第97回選抜高校野球大会の第3試合に登場した長崎県立壱岐高校(壱岐市)。球場のスタンドには島民らの大応援団が駆け付け、島ではパブリックビューイングも開かれた。

 東洋大姫路(兵庫)との試合が行われた20日午後、甲子園の一塁側アルプススタンドには、島民や出身者など3千人以上が駆け付けた。

 壱岐高校の生徒ら約260人は19日夕にフェリーで発ち、福岡市から9台のバスで車中泊しながら到着したという。

 試合は、壱岐が初回に2点を先取し、前半は優位に試合を進めたものの、東洋大姫路に五回に一気に逆転され、2―7で敗れた。

 先取点の場面では、人々が総立ちになり、メガホンを掲げて大歓声をあげた。吹奏楽部長の斎藤結衣さん(16)は「野球部のみんなを信じていた。本当にうれしい」。

 逆転された中盤。浦上脩吾投手の父、啓吾さん(53)は「東洋大姫路はやはり強い。あと少しのチャンスを待っている。それがくるまで辛抱してほしい」と祈った。

 同窓会長で、島で畜産業を営む永田宗広さん(69)は出身者らと合流して応援。試合後に「みんなが『甲子園で会おう』と集まり、応援する機会をくれた。点も取ったし、ようやった。選手にありがとうと言いたい」と声を詰まらせた。

 地元の「壱岐の島ホール」で開かれたパブリックビューイングには、島民ら約180人が集まり、地元の選手らの晴れ舞台を見守った。