<大相撲三月場所>◇十二日目◇20日◇大阪・エディオンアリーナ【映像】驚異の身体能力で快挙Vを決めた草野 新十両の“怪物”力士が48年ぶり快挙を達成。土俵際で驚異の粘りを見せて12戦全勝を遂げ十両優勝を果たした。快挙を決めた土俵際での身体能…
<大相撲三月場所>◇十二日目◇20日◇大阪・エディオンアリーナ
新十両の“怪物”力士が48年ぶり快挙を達成。土俵際で驚異の粘りを見せて12戦全勝を遂げ十両優勝を果たした。快挙を決めた土俵際での身体能力にファンから「えげつない土俵際」「どういう身体能力」と驚嘆の声が続出した。
新たな記録が打ち立てられた。十両十四枚目・草野(伊勢ヶ濱)が十両三枚目・狼雅(二子山)を下手投げで下し、無傷の12連勝を達成。昨年一月場所の尊富士以来、約1年ぶりとなる新十両優勝を遂げた。さらに、12日目での優勝決定は昭和52年(1977年)の琴乃富士以来48年ぶり。1場所15日制となって以降最速タイ記録である。加えて、新十両での無傷の12連勝は歴代最長記録。まさに記録づくめの快挙だ。
もともと鳴り物入りで角界入りを果たした“逸材”だった。草野は平成13年(2001年)生まれの22歳。相撲の名門・日本大学出身で、令和5年(2023年)に学生横綱に輝き、学生時代には計9冠のタイトルを獲得した。幕下最下位格付出資格を得て昨年五月場所でデビューすると、いきなり6連勝。だが7番目は黒星を喫し幕下優勝は逃した。その後も順調に番付を上げてきたものの、5勝2敗、4勝3敗の成績が続き優勝には届かず、デビュー当時の騒がれように比べると“足踏み”をしているようにも見えた。
だが新十両に昇進した今場所では一皮剥けていた。身長183センチ・体重146キロの体格は平成の大横綱・貴乃花とほぼ同じ。関取としても十分活躍できる素質はある。右四つと寄りを得意とし、組んでも押しても対応できる技術も備えている。何より持ち前の身体能力の高さ。初日、二日目、三日目と白星を連ねると、そのまま快進撃は続いてストレート給金を達成。翌九日目も白星を挙げ、1場所15日制となって以降、新十両での初日からの連勝最長記録だった大の里や尊富士の“9”に並んだ。その後も負けなしは続き、連勝記録を“11”まで伸ばしていた。
十二日目は幕内経験者の狼雅と対決。手強い相手だったが、立ち合い正面から当たってすぐに右を差した草野は、相手に下手を引かれるも、高速で巻き替えて反撃。右の下手一枚をしっかりと掴んだまま寄っていき、最後は土俵際、不利な体勢から驚異の怪力と体幹で豪快な下手投げを決めた。衝撃的な決着に館内は拍手が鳴り止まず大盛況となった。草野は12勝目、狼雅は4敗目を喫した。
48年ぶり快挙を達成し新十両優勝を手にした草野の活躍に、「えげつない土俵際」「どういう身体能力」「これは本物」「歴史的瞬間!」「お見事ですわ」と驚嘆するファンが続出。「今後楽しみだな」「未来の横綱!」「末恐ろしい」「大器すぎてヤバい」とこれからの活躍に期待を寄せる声も相次いだ。(ABEMA/大相撲チャンネル)