角田の評価が高まっている(C)Getty Images レーシングブルズで5年目のF1シーズンを迎えた角田裕毅の株が急上昇中だ。16日に行われた開幕戦オーストラリアGPでは雨のピット戦略に失敗して12位だったものの、予選ではレッドブルの王者…

角田の評価が高まっている(C)Getty Images

 レーシングブルズで5年目のF1シーズンを迎えた角田裕毅の株が急上昇中だ。16日に行われた開幕戦オーストラリアGPでは雨のピット戦略に失敗して12位だったものの、予選ではレッドブルの王者マックス・フェルスタッペンにわずか0・2秒差に迫る5番手タイムを刻んだ。

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 一方、批判が殺到しているのはレッドブルに移籍したリアム・ローソン(ニュージーランド)。予選ではQ1で敗退し、決勝も周回遅れの末にクラッシュしてリタイアした。エースのフェルスタッペンが2位表彰台を獲得しており、チームメートとしてはパフォーマン不足を露呈した。

 角田とローソンが常に比較されるのは昨季のシーズンオフにセルジオ・ペレスの選手契約を打ち切って新ドライバーを選出したことだ。しかも角田の方がキャリアも成績も上回っているにもかかわらず抜てきされたのは1度もフルシーズンを戦ったことがないローソンだった。

 角田を選ばなかった理由は「気が短い欠点がある」「ホンダとの提携が今季を最後に終了するから」「ローソンは精神的に強い面がある」などが挙げられるが、公式なものはないが、開幕戦で優勝したマクラーレンを率いるザク・ブラウンCEOは予選後に「ユウキはレッドブルに乗るのにふさわしいドライバー。レッドブルはたまに奇妙な人選をする」とレッドブル陣営の迷走ぶりを皮肉たっぷりに語った。

 英専門メディア「PlanetF1」によると、レッドブルの選手人事を統括するアドバイザーのヘルムート・マルコ氏はローソンについて「彼には少し心を落ち着かせ、序盤の3~5レースの間でどのように成長するかを見極める必要がある」とシーズン中のドライバー交代の可能性もちらつかせている。

 マシンが異なるため2人のパフォーマンスを比較するのが難しい面はあるが、次の第2戦中国GP(3月23日決勝、上海)は角田は昨年の1年だけ走っただけ。ローソンはジュニアフォーミュラ時代を含めて1度も上海でレースの経験がないが、フェルスタッペンが昨年のグランプリで優勝しており、今年も上位争いが期待されている。パフォーマンスを見極めやすいサーキットではないかともいわれている。 

 仮にローソンが2戦連続で首脳陣の期待を裏切る結果に終わった場合はシーズンを通じたチャンピオンシップも踏まえ、レッドブル側が早々にローソンに見切りをつけることも考えられる。

 有能な新人ドライバーはたとえ未体験のサーキットといえども結果を残す。開幕戦でもデビューレースだったメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが4位に食い下がった。角田にとってもこの追い風ムードを利したいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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