第97回選抜高校野球大会の大会本部と阪神甲子園球場は大会第3日となる20日、入場券完売を関係先に通知した。「完売」は新型コロナウイルス禍前の第90回大会(2018年)以来で、全席指定席となった21年以降では初めて。 第3試合には初出…

満員になった阪神甲子園球場=兵庫県西宮市で2025年3月20日午後3時1分、本社ヘリから加古信志撮影

 第97回選抜高校野球大会の大会本部と阪神甲子園球場は大会第3日となる20日、入場券完売を関係先に通知した。「完売」は新型コロナウイルス禍前の第90回大会(2018年)以来で、全席指定席となった21年以降では初めて。

 第3試合には初出場で21世紀枠の壱岐(長崎)と、開催地・兵庫県の東洋大姫路の注目の対戦もあった。祝日のこの日は晴天にも恵まれ、双方の応援団がスタンドを彩った。

 壱岐は部員全員が人口約2万4000人の島出身。センバツ出場で「100年に1度の奇跡」と盛り上がり、アルプススタンドには島の人口の1割を超える数の応援団が駆けつけた。壱岐の校名が書かれたタオルを持った生徒や保護者、島民らがスタンドを埋め尽くし、選手を後押しした。壱岐高の同窓会長・永田宗広さん(69)は「(地元から人が少なくなって)島が浮いたくらい」と島民の多くが甲子園に駆けつけたことを表現した。

 完売通知は第3試合開始直後の同日午後2時50分に出された。一般客向けの入場券が完売する見通しとなったことを主要駅などに通知し、来場を控えてもらうことが目的。【大坪菜々美、下河辺果歩】