(20日、第97回選抜高校野球大会1回戦 西日本短大付6―0大垣日大) 西日本短大付(福岡)の4番打者、佐藤仁(じん)…

 (20日、第97回選抜高校野球大会1回戦 西日本短大付6―0大垣日大)

 西日本短大付(福岡)の4番打者、佐藤仁(じん)の趣味はピアノ。寮にキーボードを持ち込み、息抜きでジャズやポップスを奏でる。応援団にリクエストした曲は、ドボルザークの交響曲第9番「新世界より」だ。

 「甲子園を自分の雰囲気にしたかった」。180センチ、93キロの威圧感が増す。荘厳な響きに乗った2本の長打が空を舞う。西日本短大付の春初勝利に貢献した。

 第1打席。左翼線ギリギリに長打性の当たりを放ったが、極端な守備シフトに阻まれた。「外野の頭を越えてやる」。四回に中越え二塁打、五回は左翼フェンス直撃の三塁打。勢い任せではない。つなぐ意識で球を見極められた。「自分を俯瞰(ふかん)してみられました」

 それは「熱い心と冷静な思考回路」という父・五魚(ごう)さんから授かった言葉の体現だった。五魚さんはゴスペラーズのツアーでキーボードを担当したこともある作曲家。父の妥協しないプロフェッショナルな姿勢を尊敬している。

 もう一つ、大好きな父の格言がある。「丁寧に冒険しろ」。猛練習で鍛えた体と周りを見渡せる精神。心と体のハーモニーはとれている。大舞台でもっと、暴れてみせる。(金子智彦)

 ▼西日本短大付、春初勝利 西日本短大付(福岡)が20日の1回戦で大垣日大(岐阜)に勝ち、選抜大会2度目の出場で初勝利。全国選手権では第74回(1992年)に優勝するなど、通算11勝6敗。