◇米国男子◇バルスパー選手権 事前(19日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)昨年末の最終予選会で涙の突破を果たし、夢だったPGAツアーに飛び込んだ金谷拓実。欧州も含めて4試合連続予選…

金谷拓実は開幕2日前の練習ラウンドを久常涼と。今後の試合会場の情報収集も

◇米国男子◇バルスパー選手権 事前(19日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)

昨年末の最終予選会で涙の突破を果たし、夢だったPGAツアーに飛び込んだ金谷拓実。欧州も含めて4試合連続予選落ちで始まったシーズンだが、直近2試合は32位、34位と4日間を戦った。初通過だった2月「メキシコオープン」は初日9位で確かな前進が見て取れる。「最初の試合も悪くないという言い方は変ですけど、徐々に良くなっているとは感じていた。毎日少しずつ成長することが大事。その気持ちを持ち続けています」と前向きだ。

誰よりもフェアウェイからグリーンを狙うことが大事

各プレーのスコア貢献度を示すストロークゲインドのスタッツではしっかり強みを発揮していることが分かる。フェアウェイキープ率2位(74.76%)と正確性で勝負するティショット(オフ・ザ・ティ)が「+0.457」で28位と目を引く。アマチュア時代から光っていたパッティングも「+0.291」で59位とまずまずの位置につける。

本人は「どうしても長いクラブでパー4(のセカンド)を打ったりすることも多いですし、そのためには(もっと)フェアウェイから打てないと厳しくなる」と貪欲だ。実際、グリーンを狙うショットの貢献度(アプローチ・トゥ・グリーン)は「-0.188」で130位。簡単には埋まらない飛距離差を補うためには、コースチェック時のピン位置に応じたアプローチの準備を含めて突き詰めたい要素が尽きないという。

前週日曜に繰り上がりで出場が決まった

ウエーティングから、前週日曜の時点で出場が決まった今週はまだドキドキも少なかった方。スケジュールが変則的になろうと、転がってくるかもしれないチャンスに備える日々。「やっぱりいい選手が、いい思いをするんです」――。苦笑交じりの現状分析は決して恨み節などではなく、そこに自分もはい上がっていくという覚悟そのもの。だから、世界ランキング3位のザンダー・シャウフェレらトップ選手も複数エントリーして分厚くなった今週のフィールドをうれしく思っている。

着実に一歩一歩

メジャーを中心にスポット参戦を繰り返した時は、ともすれば課題がぼやけたまま、悔しさばかりを日本に持ち帰っていた。試合で浮き彫りになった明確なポイントを練習して次につなげるサイクルこそ、着実に歩んできた金谷の真骨頂でもある。「いまは友達を探しています」。出場を模索する4月のダブルス戦「チューリッヒクラシック」の相棒を募っていることを笑って明かすあたりも、充実の日々を物語った。(フロリダ州パームハーバー/亀山泰宏)