(19日、第97回選抜高校野球大会1回戦 横浜4―2市和歌山) 3―0と横浜リードで迎えた四回表。1死一塁で奥村頼人(らいと)(3年)に打順が回った。エースで4番。「1点欲しい場面だったので、絶対にここで打ってやると思っていました」 甘く…
(19日、第97回選抜高校野球大会1回戦 横浜4―2市和歌山)
3―0と横浜リードで迎えた四回表。1死一塁で奥村頼人(らいと)(3年)に打順が回った。エースで4番。「1点欲しい場面だったので、絶対にここで打ってやると思っていました」
甘く入ったフォークボールを振り抜くと、打球はライトの頭上へ。一気に三塁を陥れ追加点を挙げると、ほっとした表情を浮かべた。
この日、横浜は4点を先取するも四、五回に1点ずつ返された。市和歌山に流れが傾きつつあった六回、先発の織田翔希(2年)の後を継ぎ、登板。「入りから圧倒するピッチングをしよう」と、この回を三者凡退に抑えた。
投手として4回を無安打無失点、打者として3安打と大車輪の活躍。村田浩明監督は「打って、守って、走ってと大役を務めてくれた」。主将の阿部葉太(3年)は「嫌な流れのなかで抑えてくれたのは大きかった。最近すごく頼もしい」と感謝した。
「頼人」という名前には、野球経験者でライトだった父倫成さんの現役時代のポジションと、頼られる人間になってほしいとの思いが込められている。倫成さんは現在、高校教員として八日市(滋賀)で野球部の監督を務めていて「父とどちらが先に甲子園に出られるか競争していた」という。名前の通りの活躍をみせ、「野手としてしっかり試合に入ったのが投球にもつながった」と充実した表情を見せた。(中嶋周平)