プロ5年目の宮崎が初の首位打者へ 10月1日、巨人が阪神に負け、DeNAが広島に勝ったことで、DeNAの2年連続のポスト…

プロ5年目の宮崎が初の首位打者へ

 10月1日、巨人が阪神に負け、DeNAが広島に勝ったことで、DeNAの2年連続のポストシーズン進出が決まった。この日の試合でDeNA宮崎敏郎は、初の首位打者をほぼ確定させた。

 以下は10月1日終了時点でのセ・リーグ打撃5傑。

1位・宮崎敏郎(De).3222(478打数154安打) 残2試合
2位・マギー(巨).3141(519打数163安打) 残1試合
3位・大島洋平(中).3130(476打数149安打) 残4試合
4位・安部友裕(広).3099(413打数128安打) 残0試合
5位・丸佳浩(広).3075(556打数171安打) 残0試合

 1位宮崎と8厘差の2位、巨人マギーは、残り1試合。6打数6安打でも打率は.3219で宮崎(.3222)に届かない。安部、丸の広島勢はすでに10月1日に全日程が終了し、試合がない。残るは中日の大島だ。残り4試合。本来ならば最大20打席程度の機会がある。7打数7安打で宮崎に追いつくはずだが、大島は9月1日に右足腓骨を骨折して登録抹消。一足早くシーズンを終えている。

 この成績だけを見ると、宮崎が圧倒的に有利だが、1週間前はそうではなかった。1週間前の9月24日のセ・リーグ打撃5傑は以下。

1位・宮崎敏郎(De).3173(460打数146安打)
2位・マギー(巨).3168(505打数160安打)
3位・大島洋平(中).3130(476打数149安打)
4位・安部友裕(広).3099(413打数128安打)
5位・丸佳浩(広).3094(543打数168安打)

 この時点でも宮崎が1位だったが、2位マギーとの差は5毛、3位大島とも4厘差、全く予断を許さなかった。しかしこの1週間(9月26日以降)で宮崎が18打数8安打、打率.444と打ちまくったのに対し、マギーは14打数3安打、この間に決着がついたのだ。宮崎のDeNAとマギーの巨人は、激しい3位争いをしていた。2人の打撃成績の差は、そのままチームの明暗にもつながった。

 宮崎は、5年目の今季初めて規定打席に到達。初規定打席で、即、首位打者はこれまで17例ある。

過去の達成者は…

1936年 中根之(名古屋)26歳
打率.376(93打数35安打) ※日本プロ野球初年度

1946年 金田正泰(大阪)26歳
打率.347(438打数152安打)

1962年 J.ブルーム(近鉄)32歳
打率.374(401打数150安打)

1969年 永淵洋三(近鉄)27歳
打率.333(486打数162安打)

1972年 若松勉(ヤクルト)25歳
打率.329(365打数120安打)

1976年 吉岡悟(太平洋)27歳
打率.309(382打数118安打)

1981年 落合博満(ロッテ)28歳
打率.326(423打数138安打)

1987年 正田耕三(広島)25歳
打率.333(393打数131安打)

1991年 古田敦也(ヤクルト)26歳
打率.340(412打数140安打)

1991年 平井光親(ロッテ)24歳
打率.314(353打数111安打)

1992年 J.ハウエル(ヤクルト)31歳
打率.331(387打数128安打)

1994年 イチロー(オリックス)21歳
打率.385(546打数210安打)

2000年 金城龍彦(横浜)24歳
打率.346(419打数145安打)

2004年 嶋重宣(広島)28歳
打率.337(561打数189安打)

2005年 青木宣親(ヤクルト)23歳
打率.344(588打数202安打)

2008年 内川聖一(横浜)26歳
打率.378(500打数189安打)

2012年 角中勝也(ロッテ)25歳
打率.312(477打数149安打)

 宮崎もこのそうそうたる顔ぶれの仲間入りをすることになる。

 残り2試合、NPBではタイトルが確定した選手は以後の試合を欠場することが多い。宮崎の場合どうだろうか。2試合10打数無安打でも、マギーに抜かれる可能性は低い。残り2試合は本拠地ハマスタで行われる。ファンへの感謝の意味も込めて、宮崎は最終戦まで出場してほしいと思う。(広尾晃 / Koh Hiroo)