今週開催されるWRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)に、ヒョンデはティエリー・ヌービル、オィット・タナック、アドリアン・フルモーの3人をヒョンデi20Nラリー1のドライバーに起用する。ここ何年もトヨタ勢が圧倒的な強さを発揮しているイ…
今週開催されるWRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)に、ヒョンデはティエリー・ヌービル、オィット・タナック、アドリアン・フルモーの3人をヒョンデi20Nラリー1のドライバーに起用する。ここ何年もトヨタ勢が圧倒的な強さを発揮しているイベントだが、前戦でマシンにアップデートを施したチームとしては今季最初のグラベルラリーでタイトル争いの弾みをつけるべく、王者ヌービルをはじめ一丸となって好リザルトを狙う構えだ。
前戦スウェーデンではポディウムに一角に食い込んだヌービル。今季最初のグラベルイベントでも、ここまでの好ペースを結果に繋げたい。
「サファリ・ラリーケニアは、ほかのどのイベントともまったく異なる。ギリシャのようにラフではあるが、ケニアのコンディションや天気、路面はあっという間に変化することもある」とヌービルは警戒を見せる。
「会期はケニアの雨期にあたるので、降水があればクルマにも視界的にも非常に厳しくなる。路面のラフさは、年々変化しているほか、新しいステージや前回とは逆走のステージもある。いずれにしても、クレバーな走りをしなくてはならない。マシンを労ってトラブルを避け切ることが鍵になる。もちろん、多少の運も必要だが、今年はうまくいくことを願っている。モンテカルロでの手応えではペースは間違いなくあるし、スウェーデンでのパフォーマンスでもそれを示している。ケニアではさらに一歩進んで、ポディウムでフィニッシュしたい」
タナックは2021年に、ヒョンデ勢で唯一となるサファリでのポディウムフィニッシュを獲得しており、今年は優勝を視野に入れて臨む。
「サファリ・ラリーケニアは、カレンダーのなかでも最も試されるラリー。基本的に道がすごく過酷でラフだが、同時に超高速でもある」とタナック。
「昨年のこのイベントでも分かるように、あちこちから石が現れるので、あらゆる事態を想定しなくてはならない。鍵となるのは、リスクと得られるものの完璧なバランスを見つけることだが、簡単にはいかない。自分たちのマシンに信頼性があると信じられればプッシュできるし、ラフなセクションでも速さを思い切りのせていける。速度域が高く、シマウマやキリン以外は何もないような開けたセクションで戦う。このため、完璧なペースノートを作るのがかなりトリッキーになる。トラブルなしでラリーを走り切り、大きなトロフィーを持ってケニアを終わりたいね」
2024年のサファリではポディウムに上がっているフルモーはグラベルイベントでの安定感には定評があり、今季最初のグラベルラウンドでいい流れを作りたいところだ。
「昨年のケニアではポディウムフィニッシュを飾ったことで、ほかとはまったく違うラリーであることを学んだ。耐久性と、マシンとタイヤの両方をマネージメントすることがすべてなんだ」とフルモー。
「とても長丁場のイベントですごくラフだから、最速のクルーが毎回トップになる保証はない。走り切るために、賢くならなくてはいけない。新しいチームでここまで3戦、毎回路面が違うので、それぞれのタイプのコンディションで一気にマシンのことを学べている。ケニアに向けてマシンは違うプリペアがなされている。マシンやクルーをできる限り守るためにサスペンションはすごく上げられている。自分のゴールはまたポディウムに上がることだが、大きなチャレンジであることも承知している。何が起きても不思議ではないので、最善のリザルトを得るためにベストを尽くす」