【高知】第97回選抜高校野球大会が18日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕した。明徳義塾は第3試合で昨年優勝校の健大高崎(群馬)と対戦し、延長タイブレークの末1―3で敗れた。明徳義塾のエース・池崎安侍朗投手(3年)と健大高崎の先発・下…
【高知】第97回選抜高校野球大会が18日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕した。明徳義塾は第3試合で昨年優勝校の健大高崎(群馬)と対戦し、延長タイブレークの末1―3で敗れた。明徳義塾のエース・池崎安侍朗投手(3年)と健大高崎の先発・下重賢慎投手(3年)がともに好投し、9回まで大接戦を繰り広げた。
健大高崎は四回表、1死二、三塁から内野ゴロの間に1点を先制。明徳義塾は五回裏、2死二塁から藤森海斗選手(3年)が適時三塁打を放ち同点にした。
明徳義塾の池崎投手は一、二回と健大高崎打線を三者凡退にするなど完璧な立ち上がりを見せた。
どちらも譲らず迎えた延長十回は無死一、二塁に走者を置いて始まるタイブレーク。健大高崎の栗原朋希選手(3年)が適時二塁打を放って勝ち越し、その後明徳義塾にスクイズを阻止されたが、2死三塁から暴投で1点を加え、突き放した。
健大高崎の最速158キロのエースで、明徳義塾打線がマシンの速度を上げるなど対策を進めていた石垣元気投手(3年)はこの日、先発を回避。ブルペンで投球練習をしていたが、登板はしなかった。(原篤司)
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(18日、第97回選抜高校野球大会3回戦、明徳義塾1―3健大高崎)
昨年の覇者、健大高崎を前に、初回に訪れた無死一、二塁の好機。3番打者の藤森海斗選手(3年)は送りバントのサインを受け、奮い立った。
「ここで試合の流れを決めてやろうと思った」
なのに、内角の打ちにくいところに来た球をバントしようとして失敗。指導陣に「足が速くどこでも守れ、捕手もできる万能選手」と一目置かれてきただけに、ふがいなかった。
北海道根室市出身の道産子。社会人野球の選手だった父に手ほどきを受け、「もっと強いチームで自分のレベルを上げたい」と中学校から明徳義塾へ。昨夏の県大会では3番打者で打率5割と活躍した。
でも、中軸を担った昨夏の甲子園では単打ばかり。「長打を打ちたい」という一心で、この冬は課題だった高めの球のさばき方を意識し、打撃フォームの改善に力を入れた。朝の30分と夜1時間の自主練習はほぼ素振りにあて、体重も増やした。
「初回の失敗を絶対に巻き返したい」。そんな思いは、五回の打席で結実した。高めの変化球をとらえ、右越えの適時三塁打を放って同点に。甲子園は沸き立った。
9回まで同点のまま、緊張感ある投手戦が続いた。だが、タイブレークを経て、優勝への夢は途絶えた。
「双方ミスはあったけど、相手は犠打で失敗しなかったし、つなげるべきところで打っていた。一枚上手だった」
この経験を糧に、夏に向かう。(原篤司)