第97回選抜高校野球大会が18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。健大高崎(群馬)はこの日の第3試合で明徳義塾(高知)と対戦。延長十回タイブレークの末に3―1で勝利した。2回戦は大会第6日第3試合(23日午後2時試合開始予定)で、…
第97回選抜高校野球大会が18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。健大高崎(群馬)はこの日の第3試合で明徳義塾(高知)と対戦。延長十回タイブレークの末に3―1で勝利した。2回戦は大会第6日第3試合(23日午後2時試合開始予定)で、敦賀気比(福井)―滋賀短大付との勝者と対戦する。
「とにかくヒットを打つ」。1―1の同点で迎えた十回表、タイブレーク。1死二、三塁の好機に、栗原朋希(3年)が打席に入った。カウント0―1の2球目。突然強風が吹き砂ぼこりが舞うが、構わず振り抜く。「落ちてくれ」と願った打球はセンターにポトリ。好走塁で二塁打に。生還した三塁走者の小堀弘晴(3年)は「(秋季関東大会決勝の)横浜戦で負けてからずっとタイブレークの練習をしてきた。やってきた成果が出た」と喜んだ。
続く鶴岡太一朗(3年)の打席で、相手の暴投で栗原が生還し、1点を加えた。
試合は序盤から1点を争う緊迫の展開に。注目左腕の明徳義塾・池崎安侍朗(3年)の前になかなか好機がつくれない。突破口を開いたのは四回表だ。1番打者の石田雄星(2年)が直球を捉え中前安打で出塁。2番の加藤大成(3年)のバントが安打となり、一、二塁。長打力のある秋山潤琉(ういる)(3年)が犠打を決め二、三塁に。
続く小堀が内角の球を振り切ると、やや詰まった打球が遊撃手を突く。三塁走者の石田が好スタートを切り本塁を踏み、念願の先取点を奪った。石田は「小堀さんが打ってくれると信じていたから、打った瞬間はホームの方しか見ていなかった」。走塁が持ち味の「機動破壊」が光った。
健大高崎の先発マウンドに上がったのは、左腕の下重賢慎(3年)だった。背番号1の石垣元気(3年)は13日の練習で左脇腹の筋肉を痛めていた。下重は四回まで要所を押さえて無失点。1点リードで迎えた五回裏、1死二塁から高めの変化球を捉えられ、右翼越えの適時三塁打を浴びた。だが、その後は無失点に抑えた。「もう1点も取られないぞという強い思いで、さらに本気で投げた」と振り返った。(中沢絢乃)
○加藤大成主将(健大高崎) 「明徳義塾から安打1本打つことも難しいので、声や走塁で重圧をかけられるように練習してきた。結果を出せて本当によかった」
○青柳博文監督(健大高崎) 「本当に大きい勝利。勝てて感無量。捕手小堀がいいリードをして、先発下重はよく粘った。バッテリーの勝利だと思う」
●池田佑二主将(明徳義塾) 「相手は格上だったが、通用した部分もあった。夏に向けて、守備だけではなく攻撃のレベルも上げていきたい」
●馬淵史郎監督(明徳義塾) 「いいところもあったがミスも多かった。選手には2―1か1―0で勝つしかないと伝えていたが、あと一本が出なかった」