開幕先発という大役を見事に務めた今永。(C)Getty Images 強力打線をねじ伏せる快投もむなしく白星は手にできなかった。3月18日に東京ドームで行われたドジャースとのMLB開幕戦に先発登板したカブスの今永昇太だ。【動画】今永昇太VS…

開幕先発という大役を見事に務めた今永。(C)Getty Images
強力打線をねじ伏せる快投もむなしく白星は手にできなかった。3月18日に東京ドームで行われたドジャースとのMLB開幕戦に先発登板したカブスの今永昇太だ。
序盤から付け入る隙はなかった。初回に注目を集めた大谷翔平との対決を二ゴロに仕留めて幸先のいいスタートを切った今永は、その後も小気味いい投球を継続。先制点を得た2回以降も緩急を駆使しながらコーナーに投げ分けて、ドジャース打線に的を絞らせず。4回を終えた時点で69球を投げ、被安打0、四球4、無失点の“ノーヒットピッチング”を続けていた。
ただ、ここでカブスベンチは動いた。勝利投手の権利を得る5回も投げると思われたが、2番手のベン・ブラウンを投入したのだ。たしかに例年であればオープン戦の真っ只中にある調整時期という事情も考慮した妥当な判断ではあったが、今永は大谷との対決を2度とも凡退に打ち取るなど好投を続けていた決断は小さくない波紋を呼んだ。
実際、継投策は裏目に出てしまう。5回にブラウンの出鼻をくじいたドジャース打線は一気呵成の攻撃で3点を奪取。大谷にも痛烈なライト前ヒットが飛び出すなど、試合展開が一変した感は否めなかった。
結果的にカブスが1-4と敗れたこともあってネットでは今永の降板に反発の声が噴出。Xで「なんで交代したんだ」「日本なら当たり前にもう1イニングは行っていた」「あと1回だけ見たかった」といった意見が相次いだ。
また、米メディアでもクレイグ・カウンセル監督の判断を糾弾する意見は上がった。野球専門サイト『Fan Sided』は「カブスは残酷なミスを犯した」と指摘。「かなり完璧な投球を続けていたイマナガからブラウンへの交代した後にカブスは窮地に追い込まれた」と論じた。
もっとも、カブスの地元メディアではカウンセル監督の判断が「正当性があった」とする指摘も飛んでいる。
地元放送局『Marquee Sports Network』は「ショウタは開幕戦で前年のワールドシリーズ王者を無安打で抑えた初の先発投手となった」と強調。通年とは異なる開幕スケジュールの下で球団が抱えていた“特異な事情”を説いている。
「ドジャース相手に完璧な投球をした31歳は投球数制限中だった。通常なら春のオープン戦中のタイミングにより、両チームの先発投手は十分な投球ができていなかった。カブスはおそらくあと1、2イニング投げられることを期待していたが、彼の球数はカウンセル監督たちが設けていた制限であった70球に迫っていた。
もちろん、カブスは勝ちを狙った。そしてショウタが長く投げてくれることを願っていた。しかし、これは162試合中の1試合目でもある。カブスは彼がこの1試合だけでなく、シーズンを通して素晴らしい投球を見せてくれるようにしたいのだ」
たしかに「まだ見ていたい」と思わせる内容だっただけに、見ている側に少しばかり歯がゆさは残った。それでも長期的なスパンを見通したカブスの判断は妥当だったと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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