(18日、第97回選抜高校野球大会1回戦、花巻東10―2米子松蔭) 一回、2死三塁で回った甲子園初出場の初球。 花巻東の6番山崎力選手(3年)はボール球のカーブを空振りした。「相手投手は制球がいい。受け身になってはよくない」 続く2球目もカ…
(18日、第97回選抜高校野球大会1回戦、花巻東10―2米子松蔭)
一回、2死三塁で回った甲子園初出場の初球。
花巻東の6番山崎力選手(3年)はボール球のカーブを空振りした。「相手投手は制球がいい。受け身になってはよくない」
続く2球目もカーブ。タイミングが合い、左翼線への適時二塁打とした。
2点差に迫られた三回2死一、三塁で迎えた第2打席は初球をたたき、右中間への2点二塁打に。七回は中前安打を放った。
近いようで遠い甲子園の打席だった。
1年秋から公式戦に出場し、昨年夏の甲子園では背番号14でベンチ入り。チームは初戦で敗れ、15選手が出場したが、出番はなかった。「自分が出られなかったのは力不足」
新基準のバットでは長打の価値が高いと打撃に力を入れてきた。その成果が出て、「お立ち台」に上がった。「うれしいですけど、チームが勝つこと、そして次の試合が大事です」
終始冷静な受け答えの中で、高校の先輩、大谷翔平が所属するドジャースのこの日夜の開幕戦の質問で一番の笑顔を見せた。
「見たいです」
実はとても素直なヒーローだった。(八鍬耕造)