(18日、第97回選抜高野球大会1回戦 花巻東10―2米子松蔭) 第97回選抜高校野球大会が18日に開幕した。第2試合に…
(18日、第97回選抜高野球大会1回戦 花巻東10―2米子松蔭)
第97回選抜高校野球大会が18日に開幕した。第2試合に登場した花巻東(岩手)の森下祐帆(ゆうほ)選手(3年)は、岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災で実家が燃えた。心配で、一時は野球に集中できないほどだったが、家族からは「野球に集中してほしい」と背中を押されて大舞台に臨んだ。
自身は花巻市内で寮生活をしている。2月下旬に両親が住む自宅が被災したと知った。「壁が焼けたりガラスが割れたりして、もう住めなくなった」と森下選手。隣接する祖父母宅は全焼し、今は別の部屋を借りて生活している。
父・航生さん(48)は「心配しないで大丈夫」と伝えた。「今は祐帆にとって大事な時期。野球に専念してほしかった」。森下選手も「親がそう望んでくれるのなら」と心が晴れた。
「自分にできることは一生懸命プレーすること」。この日の米子松蔭(鳥取)戦に7番・遊撃手として先発出場し、飛行機で駆けつけた両親や祖父母らの前で5打数3安打1打点をマーク。1回戦突破に貢献した。
試合後、森下選手は笑顔がはじけた。「大変な中でも応援に来てくれた。まず勝ちを家族のみんなに届けられたので良かった」
大会前、大船渡市で育った大リーグ・ドジャースの佐々木朗希投手(23)が1千万円と寝具500セットを寄付したことが話題となった。
「東日本大震災の時に佐々木投手自身も苦しかった経験があるから、このようなことができるのだと思う。地元のことを考えて、人のことも考えての行動ができてすばらしいなと思った」と森下選手。精いっぱい、元気に野球をすること。それが今、自分ができる恩返しだと感じている。(室田賢)