◆大相撲春場所10日目(18日・エディオンアリーナ大阪) 東前頭4枚目・高安(田子ノ浦)が、大関・大の里(二所ノ関)との1敗同士による大一番を制して9勝目を挙げ、ついに単独トップに立った。悲願の初優勝に向けて前進した。過去の対戦は、昨年夏場…
◆大相撲春場所10日目(18日・エディオンアリーナ大阪)
東前頭4枚目・高安(田子ノ浦)が、大関・大の里(二所ノ関)との1敗同士による大一番を制して9勝目を挙げ、ついに単独トップに立った。悲願の初優勝に向けて前進した。過去の対戦は、昨年夏場所の1度だけで、その時も勝っており、この日も元大関の意地で勝ちきった。
立ち合いは頭から当たる。大の里の突き放しに後退したが、右上手を取った大の里が投げようとすると、左下手を持ったまま低い体勢で前に出て寄り切った。取組後はNHKのインタビュールームに呼ばれ「大関は当たりが強いので、負けないように行きました。我慢して、足がついていって良かった」と振り返った。1敗同士で緊張感ある対決を制したことには「やはり、しびれますね。こういう状況で勝てて、気持ちいいですね」。残りの終盤戦5日間に向け、優勝への期待は高まり「一日一番集中して、いい相撲を取れるように頑張りたい。やることを目標に置いて、千秋楽までいきたい」と意気込んだ。
高安は4日目に、東前頭3枚目・翔猿(追手風)に敗れたが、8日目に新横綱・豊昇龍(立浪)、9日目に大関・琴桜(佐渡ケ嶽)を強い当たりから、35歳の元大関らしい巧みな取り口で勝利するなど好調を維持している。もう一歩のところで、何度も優勝を逃してきたが「今が一番楽しい」と話すベテランが、初賜杯に向けて大きな1勝を挙げた。