トータルゴルフフィットネス 管理栄養士兼トレーナーの中島です。今回も引き続き、お客様からいただいたご質問に回答させていただきます。「食事が大切というのは分かるけど、身体に悪いものの方が美味しいのが現実、、、栄養が偏ると、具体的に何が悪いの…

 トータルゴルフフィットネス 管理栄養士兼トレーナーの中島です。

今回も引き続き、お客様からいただいたご質問に回答させていただきます。

「食事が大切というのは分かるけど、身体に悪いものの方が美味しいのが現実、、、

栄養が偏ると、具体的に何が悪いの?」

今回は『栄養が不足すると具体的にどうなるのか?』についてです!

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食事は長期戦!

答えは『健康に長くゴルフが続けられない』です。

1日中ファーストフードばかりを食べているとしましょう。必要な栄養素が不足したからといって、すぐに皆さんの目が見えなくなったり、急に鼻が欠けたりはしません。これが食事の難しいところです。今食べているものに対して、その結果がすぐには目に見えないのです。

しかし、ヒトの身体は生まれたままの細胞を一生使うわけではありません。日々身体の中で『代謝』=部品の作り替えが行われています。車と同じでガソリンやオイルが不足すれば、いつかは故障したり動かなくなる日がきます。ヒトの身体も同じです。栄養の偏りは、長期的な目で見た時、様々な疾患や生活習慣病のリスクが増加します。

また、皆さんは慢性的な疲労感やイライラ感など、病名のつかない症状に悩まれていませんか?これらが特定の栄養素の不足や過剰によるものである可能性があります。加工食品に関するコラムでも述べましたが、添加物の中には身体の疲労と繋がるものが多く存在します。あなたの症状は、食事で改善できるかもしれません。

そもそも『栄養』とは?

『栄養』とは、ヒトが食物を食べて体内に栄養素を取り込み、成長や生命維持に利用する一連の流れのことを指します。つまり『栄養が不足する』とは、生命維持に必要な栄養素が足りなくなることと言えます。栄養素は五大栄養素以外にも、様々な種類が存在します。今なお、新しいものも発見されつつあります。これらの栄養素を十分に摂ることが、健康に長生きすることに繋がります。

ここからは具体的に、特にゴルファーの皆さんに関わる栄養素を挙げます。これらが不足するとどうなるのか、見ていきましょう!

筋肉の材料『たんぱく質』!

まずは三大栄養素の一つ『たんぱく質』です。たんぱく質は筋肉の合成に必要な栄養素です。筋肉量の増加や、運動後に筋肉のダメージを回復する為にも必要です。

「筋肉はプロゴルファーに必要なもの。アマチュアゴルファーの自分にはそれほど関係ないのではないか。」こんな風に思っていませんか?

筋肉は全てのゴルファーに必要です。なぜなら、筋肉の役割は飛距離アップだけではないからです。18ホール元気に歩いてラウンドする為には、下半身の筋肉が不可欠です。どの程度の筋肉量が必要かには個人差がありますが、たんぱく質を十分に摂取し、運動しなければ下半身の筋肉量は落ちていきます。

たんぱく質の摂取量と運動パフォーマンスについて調べた研究は多くあります。摂取量を不足させる研究は現代の倫理上困難ですが、必要量摂ることで、パフォーマンスが上がるというものは多く見られます。

少なくとも、自分の体重(kg)と同じ量のたんぱく質(g)は摂る様に心掛けましょう!

特に女性は要注意『鉄』!

次は『鉄』です。鉄は体内で酸素を運ぶ役割を担い、細胞内のエネルギー産生に関わります。よって、鉄が不足すると疲労感や息切れなどに繋がることが分かっています。また鉄は免疫機能にも関わります。体調が優れないことが多い、と思っているゴルファーの皆さんは、鉄が不足している可能性があります。

骨を健康に保つ『カルシウム』

最後は日本人に不足しやすい栄養素の一つ『カルシウム』です。カルシウムは骨や歯の健康を保つとともに、筋肉の収縮に関わります。歯は食べ物を細かく砕き、消化しやすくする役割をもちます。よって、歯が不健康だと硬いものを避ける様になり、栄養バランスも偏りやすくなります。歯を健康に保つことが栄養摂取の1丁目1番地といえます!

また、カルシウムの十分な摂取が必要となるのは、特に幼少期や高齢者においてです。全身の骨は18歳頃まで成長を続けます。ここで骨の材料となるカルシウムが無ければ、骨の形はできても中身がスカスカで脆くなります。そして、18歳を過ぎても、骨は常に代謝しています。従来の骨を壊し、新しいものを作るサイクルがスムーズに回ることが重要で、材料となるカルシウムは不可欠です。老化によって代謝は落ちていきますので、高齢者は特に注意が必要です。

さらに、カルシウム不足の影響は骨粗鬆症やくる病などの疾患名がつくものだけではありません。肩こりや腰痛、手足のしびれ、けいれんなどが見られる場合も、カルシウム不足の可能性があります。特にラウンド中に足がつる、しびれるなどの症状にお困りの方は、体内でカルシウムを含むミネラルのバランスが崩れている可能性があります。血液検査等で確かめることができますので、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正値は変化します。

引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!


[文:トータルゴルフフィットネス – ゴルファーのための会員制フィットネスクラブ]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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中島 遥

管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。