【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【ピヴォタル】 現役時代にナンソープS(英G1・芝5ハロン)を鮮やかに差し切り、通算6戦4勝の成績で引退しました。父がさほど成功したとはい…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【ピヴォタル】
現役時代にナンソープS(英G1・芝5ハロン)を鮮やかに差し切り、通算6戦4勝の成績で引退しました。父がさほど成功したとはいえないポーラーファルコン、唯一のG1勝ちが5ハロンのスプリント戦だったこともあり、種牡馬としての期待度はそれなりでしかありませんでした。しかし、初年度から3頭のG1馬を出して注目を集め、最終的に30頭ものG1馬を送り出し、ヌレイエフ系の中興の祖となりました。このラインが存在しなければヌレイエフ系は途絶えていたでしょう。
胸前や腰回りの筋肉が発達したマイラー体形で、基本的には芝向きのスピードタイプ。ただ、英・愛オークスを連勝したサリスカのように、配合次第では距離をこなす馬もいました。後継種牡馬のシユーニがフランスで大成功を収め、系統を発展させています。
母の父としてはさらに優秀。マジカル、クラックスマン、ラヴをはじめ多くの名馬を出し、2017年から3年連続で英愛ブルードメアサイアーチャンピオンとなりました。日本ではミッキーロケット、ファンディーナ、ダーリントンホールの母の父、リカンカブールの2代母の父となっています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「2025年のアメリカ競馬界で注目の種牡馬は?」
年が明けてまだ2ヵ月ですから、昨年と大きく違ったところはありませんが、初年度産駒が3歳の新種牡馬ヴェコマ(Vekoma)が13位につけている点は目を惹きます。ガンランナーの父として知られるキャンディライドを父に持ち、現役時代はメトロポリタンH(米G1・ダ8ハロン)やカーターH(米G1・ダ7ハロン)を勝つなど8戦6勝の成績を残しました。
サウジダービー(沙G3・ダ1600m)やUAE2000ギニー(首G3・ダ1600m)を勝ったゴールデンヴェコマ、イロコイS(米G3・ダ8ハロン)を勝ったジョナサンズウェイ、ヒアカムズザブライドS(米G3・芝8ハロン)を勝ったヴィクスンなどを出しています。
ゴールデンヴェコマがサウジアラビアの高額賞金レースを勝ったとはいえ、昨年のファーストシーズンサイアーランキングでは僅差の3位に食い込んで実力を示しており、今年、出走60頭中26頭が勝ち上がるという勝馬率の高さは評価できます。継続して注目していきたい種牡馬です。