◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(17日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)キャリーで奥の池へと消えた一打が、J.J.スポーンには信じられなかった。朝に持ち越したプレー…

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(17日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
キャリーで奥の池へと消えた一打が、J.J.スポーンには信じられなかった。朝に持ち越したプレーオフ2ホール目の17番(パー3)。アイランドグリーンの名物ホールには冷たいアゲンストの強風が吹いていた。ドライビングレンジでも同じ風向きを選び、弾道計測器で距離をチェックして使う番手を入念にシミュレーション。「8番アイアン以外は考えてなかった。同じ風向きで打って128ydだったんだ」と明かす。
130ydの設定。オナーで浮島グリーンに乗せたロリー・マキロイ(北アイルランド)が9Iを持っていたことで、クラブ選択への自信は深まった。「彼は僕より平気で1クラブは長い(飛距離が出る)。打った後にもしかしたらショートすると思って、『Go!』と言いかけた。(番手が)大きいなんて、信じられなかったよ」。ドロップゾーンからの3打目は傾斜とスピンで手前のカラーに落ち、4打目もパターで狙えない難しいアングルに残った。チッピングを寄せきれず、痛恨のトリプルボギー。残り1ホールで絶望的な3打差に広げられ、勝敗はほぼ決した。
苦い結果となった初のプレーオフ。「やるべきことをやって、いいショットが打てた。ただ、突風の運がなかったんだと思う。僕の“番”じゃなかった」。2022年「バレロテキサスオープン」以来の2勝目、“第5のメジャー”のビッグタイトルを目前で逃した無念がにじむ。
最終日を首位で迎えた1月「ソニーオープン」、2位で終えた2週前の「コグニザントクラシック」、そして今大会。ことしに入って何度もタイトルに迫り、世界ランキングは自己最高の25位に上がった。「今までのキャリアの中で、安定して最高のゴルフができていると思う。ガッカリしない…というのはちょっと難しいけど、プレーオフで勝つチャンスを得たことはプラス以外の何物でもない。ここから学んで、次こそは成功させたい」。世界的なスーパースターと正面からぶつかり合った3ホールは、間違いなく今後の糧になる。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/亀山泰宏)