◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(17日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)冷たいアゲンストの風が吹いた名物17番(パー3)、ロリー・マキロイ(北アイルランド)は9Iを…

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(17日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
冷たいアゲンストの風が吹いた名物17番(パー3)、ロリー・マキロイ(北アイルランド)は9Iをしなやかに、そして少しだけゆったりと振ってアイランドグリーンを捉えた。続けて打ったJ.J.スポーンが池に落とし、このホールでトリプルボギー。しびれるオナーの一打が、事実上のウイニングショットになった。
3ホールの合計ストロークで争われたプレーオフ。バーディで先手を取った16番(パー5)の完ぺきな1Wショットとともに、17番のショートアイアンを誇る。「僕はあれを『スリークォーター・スリークォーター・ショット』と読んでいる。スリークォーターのバックスイングで、スピードもスリークォーターだ。風の強いコンディションを想定して、今週のドライビングレンジでも練習していたのさ」。最終18番も右ラフからレイアップした後に8Iで同じように打ってピンに絡めた。
これまでもウェッジショットでは使っていた技術だが、7~9番のような短いアイアンでも駆使するのは今年に入って磨いてきた部分。ボールをテーラーメイド「TP5」(2024年モデル)に替えたことでスピン量が増え、風の中でコントロールできる飛距離の幅が大きくなったことも関係している。
優勝した2月「AT&Tペブルビーチプロアマ」も週末は風の強いコンディションだった。「昨年のオーガスタでの第2ラウンドを思い出すと、すごい突風が吹いていた。あのようなコンディションになった時でも、対処する準備ができたように感じる。ティショットではいつもうまくいっていたけど、ウェッジやショートアイアンの飛ばし方が問題だったんだ」。生涯グランドスラムへの最後の関門となっている4月「マスターズ」。昨年は2日目に「77」をたたき、優勝争いから遠ざかった。同じ過ちは繰り返さない。
昨年は「全米オープン」最終日の後半で単独首位に立ちながら惜敗して失意にくれた。9月「アイルランドオープン」でも最終日を単独トップから出て2位。「全米オープンは大変だったし、ホーム(アイルランド)で負けたのもつらかった。でも、ターニングポイントは翌週のウェントワースだった気がする」。プレーオフでビリー・ホーシェルに敗れた「BMW PGA選手権」でつかんだ手応えからスイングを調整し、今季は欧州ツアーも合わせた出場5試合で2勝を挙げている。
2019年以来の大会2勝目。ジャック・ニクラス、タイガー・ウッズ、スコッティ・シェフラーに続いてプレーヤーズとメジャーをともに複数回勝った選手となった。「以前のように大事な時にミスする感じはない。大部分はミスから学んだ。ここ数年、日曜日にチャンスがあったのになかなか勝てなくて、何度も心が折れそうになったよ。少なくとも、タイガー・ウッズという名前がついていない人たちは、みんなそうだ。その学びの日々が、僕らをより良くしてくれると思う」。成熟した心技体で、グリーンジャケットをつかみにいく。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/亀山泰宏)