サッカー日本代表は17日、2026年北中米W杯アジア最終予選バーレーン戦(20日・埼玉)に向けて、千葉市内で始動した。前回22年カタール大会の最終予選で“W杯出場決定弾”を決めたFW三笘薫(27)=ブライトン=が、…

 サッカー日本代表は17日、2026年北中米W杯アジア最終予選バーレーン戦(20日・埼玉)に向けて、千葉市内で始動した。前回22年カタール大会の最終予選で“W杯出場決定弾”を決めたFW三笘薫(27)=ブライトン=が、勝てば8大会連続8度目のW杯出場が決まるバーレーン戦で再現を狙う。この日は一部の海外組を含む16人が参加し、室内トレーニングでコンディションを調整した。

 三笘の視線は鋭く、語気も強かった。バーレーン戦での勝利だけを見据えていた。「一番は勝つこと。(突破を)決めること。内容よりも結果が大事」。勝利で26年W杯出場が決まる一戦へ気持ちを高ぶらせた。

 前回22年カタール大会の最終予選では、一躍時の人になった。今回と同じく勝てば突破という状況で迎えた敵地のオーストラリア戦(2〇0)で、アディショナルタイム(AT)を含めて約10分の出場で衝撃の2ゴール。黒星発進を喫するなど、一時は突破に暗雲立ち込めていたチームをカタールに導いた。

 「W杯が決まったのはうれしかったが、出場機会が少なく、結果を出すことに必死だった」。当時は当落線上の立場で、この時の得点が代表初ゴール。圧巻の2発は、序列を上げることにもつながった。

 所属クラブは、当時のベルギー1部サンジロワーズから英プレミアリーグ・ブライトンに“栄転”。「三笘の1ミリ」と称されるアシストで話題を集めたW杯も経験し、W杯後はスーパーサブ役を“卒業”してスタメン定着した。「W杯を経験して、監督からの要求も増えた」とうなずく。プレー面でも幅を広げ、ドリブル以外の武器も増えた。「ゴール前に入る回数は以前より増えた。ゴールに直結しやすい動き、監督が求めることを体現できるようになってきている」と自信を示す。

 98年フランスW杯予選プレーオフで岡野雅行が初のW杯出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」に始まり、過去には岡崎慎司(10年南ア予選)、本田圭佑(14年ブラジル予選)らが“W杯決定弾”をマークしてきたが、複数大会で決めた選手は過去にいない。三笘は「(前回予選時の)反骨心、結果を出してやろうという気持ちは常に持ってやりたい」と力を込めた。進化した三笘が、3年前の再現を狙う。(岡島 智哉)

 ◆22年カタールW杯アジア最終予選オーストラリア戦(2〇0、22年3月24日) シドニーで行われ、勝てば突破が決まった日本だが、序盤から決定機を決められず、0―0のまま試合が推移。後半39分に三笘がジョーカーとして投入され、本職の左サイドへ。同44分、右サイドバック山根視来の折り返しを三笘が流し込んで代表初ゴールで先制点をマークすると、“三笘劇場”は続き、アディショナルタイムにドリブルで3人をかわして鮮やかな追加点。2―0の勝利に貢献し、日本は7大会連続7度目のW杯出場を決めた。