3月15日、国立代々木競技場第一体育館で「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」決勝が開催され、アルバルク東京…
3月15日、国立代々木競技場第一体育館で「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」決勝が開催され、アルバルク東京が49−60で琉球ゴールデンキングスに敗退。13年ぶり3度目の優勝は果たせなかった。
ディフェンスを武器とする両チーム同士の対戦は、試合開始から守り合いの展開となった。第1クォーターで10−15とリードを奪われたA東京は、第2クォーターに入ると安藤シュートの3ポイントシュートをきっかけに、テーブス海、ライアン・ロシターのシュートなどで22−21と逆転に成功。主導権を奪い返したかに見えた。
しかし、奪ったリードを琉球は明け渡さない。A東京が追い上げれば琉球が突き放す展開が続く。追いつきそうで追いつけない。最終盤、琉球の小野寺祥太や岸本隆一にビッグショットを決められ、万事休す。13年ぶりの天皇杯優勝はかなわなかった。
試合後、メディア対応をしたA東京の小酒部は「これがファイナルなんだなという率直な感想と何もできなかったという試合でした」とコメント。シュート率がなかなか上がらない難しい試合になったが、「前半もいいシュートを打ててはいたのですが、単調にシュートを打つ場面が多かったので、しっかりとボールをシェアしながら打つことを意識していました。後半の入りもその意識は変わらなかったのですが、なかなかうまくいかないところも多かったのでそれは反省点だと思います」と総括した。
ロースコアの展開だっただけに、後半も何度か琉球の背中を捕まえるチャンスがあったと言えるだろう。「そうですね。我慢はできていたと思うのですが、やっぱりオフェンスリバウンドのところでつながれてしまって。そこが敗因というか、試合をコントロールできなかったところかなと思います」と、リバウンドで琉球に58本、うちオフェンスリバウンドで22本を奪われたことが敗因のひとつと分析した。
天皇杯の決勝進出を決めてから自身初のタイトル獲得に意欲を見せていた小酒部だっただけに、勝利への想いは誰よりも強かったと言えるだろう。エースキラーとして、琉球の岸本とマッチアップして6得点に抑えたことで仕事を全うしたとも言える。それについて問われると、以下のように答えた。
「個人的にはやられてないとは思うんですけど、やっぱりチームとして負けてしまった…、そうですね、結局チームが勝たないと意味がないと思うので、結局はそこに尽きます」
優勝カップは手の届くところにあった。「もうやり返すしかないです。昨シーズンもCSのクォーターファイナルの第3戦で(琉球に)負けてますし、今回も負けて。この経験を糧にやり返さないといけないです。CSに向けてはもう切り替えて、(中)地区優勝を目指してやっていかないといけないと思います。もう水曜日には試合があるので気持ち的に切り替えてやっていけたらと思います」と前を向いた。
惜敗を引きずっている時間はない。次への目標に向けて、小酒部を筆頭に、A東京のメンバーは進んでいくしかない。
文=入江美紀雄