3月15日、国立代々木競技場第一体育館で「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」決勝が開催され、琉球ゴールデン…

 3月15日、国立代々木競技場第一体育館で「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」決勝が開催され、琉球ゴールデンキングスが60-49でアルバルク東京に勝利。今シーズン途中に琉球へ加入した沖縄県出身の平良彰吾が、県勢初の天皇杯優勝に貢献した。

 今シーズンはB3横浜エクセレンスで開幕を迎え、横浜EXの一員として天皇杯2次ラウンドにも出場していたが、負傷離脱者が出た琉球からオファーがあり期限付き移籍。すると活躍が評価され、今シーズン終了まで移籍期間を延長することに。琉球の一員として、タイトルがかかる頂上決戦にも出場した。

 決勝で出番が巡ってきたのは試合中盤だった。第2クォーターに伊藤達哉に代わってコートに入ると、「打てるときは打っていこうと思っていた」と、同残り7分38秒にファーストショットとなる3ポイントを決め、アレックス・カークの2ポイントもアシスト。後半は司令塔の岸本隆一が足をつるアクシデントに見舞われたなか攻守に不在の穴を埋め、試合全体でも11分22秒のプレータイムで5得点1アシストを記録。岸本が戻ってくるまでの時間を懸命につないだ。

 表彰後にミックスゾーンに現れた平良は、「本当にうれしいです。信じられないことが起きていて、本当にありがたいと思っています」と、あらためて国内最高峰の舞台へと引き上げてくれた琉球の関係者へ感謝。メディア対応中には何度も「ありがたい」と大舞台に立てる充実感を滲ませ、「優勝という形で終えられて良かったです」と喜んだ。

 その貢献度は、出場時間中の得失点差を表すプラスマイナス+6にも現れた。平良は「チームのためにいいプレーができるように、チームにいい流れを持ってこられるように自分がやらなきゃいけないと毎日思っているので。いい流れを作れてよかったです」と、攻守にわたり奮闘した自身のパフォーマンスを振り返った。

 B3から駆け上がってきた今シーズンのキャリアを振り返れば、その貢献度はすでに“結果を残した”という評価に値するものだが、「まだまだ」と平良。「これからまだシーズンがありますし、CS(チャンピオンシップ)もあるので、もっともっと改善していかなきゃいけないなと思っています」と引き締めた。

 自らチャンスをつかみ、天皇杯優勝までこぎつけた27歳が見据える先は、チームの目標でもあるBリーグ制覇。琉球で刺激的な日々を過ごす男の旅路は、まだまだ続きそうだ。