「ACNエキスポ駅伝」(16日、万博記念公園~夢洲) 史上初となる実業団と大学のトップチームが激突する大会が行われ、実業団と大学の計16チーム(選抜チーム含む)が参加し、スタートした。吹田市の万博記念公園から大阪市の夢洲までの7区間54・…

 「ACNエキスポ駅伝」(16日、万博記念公園~夢洲)

 史上初となる実業団と大学のトップチームが激突する大会が行われ、実業団と大学の計16チーム(選抜チーム含む)が参加し、スタートした。吹田市の万博記念公園から大阪市の夢洲までの7区間54・5キロで争われ、箱根駅伝覇者の青学大は優勝したトヨタ自動車と3分10秒差の7位で完敗に終わった。

 原晋監督が万博にちなみ「わんぱく大作戦」を発令した青学大は1区に投入した4年生の主力、鶴川正也が3位につけると、2区で箱根のアンカーを務めた1年生の小河原陽琉が2位に浮上。しかし、エースが集った最長区間の3区で1年生の飯田翔大がトップと1分15秒差の4位に順位を落とすと、4区では1年生の安島莉玖が7位に順位を落とし、苦しいレースとなった。5区も箱根に出場した塩出翔太が帝京大に抜かれて1つ順位を落として8位に。6区の黒田然、7区の中村海斗も追い上げはならなかった。大学生では国学院大、帝京大、駒大に次ぐ4番手だった。

 原監督はレース後「7番のチームでなんでこんなにたくさんくるの?」と苦笑いしつつ、「楽しかった。この大会を開催していただいたことを感謝したい。御堂筋のど真ん中を走って行く、こんな素晴らしい大会、沿道のファンの皆さんも箱根駅伝を思い出すような人垣で素晴らしかった」と開催に感謝。チームについては「箱根後のためがなくて、100%の状態で立てなかったが、流れは作れた。3区までは合格点。2区の小河原、3区の飯田は箱根でも往路要員で戦えるメドが立った」と手応えも口にした。

 圧勝したトヨタ自動車については「トヨタさんはほぼほぼしっかり外国人も使うし、太田くんもいるし、当初の予想どおり、3区、4区でね、これは視聴率が下がるぞ、こんな区間配置と思ってみていましたけど、予想どおり抜け出しましてね。強かったと思います」と、皮肉も滲んだ。

 原監督は前日会見で恒例の作戦名を「わんぱく大作戦」と発表。大会について「頑張るのみ。なんとか上位でいきたい」と語り、「この大会をみて、多くの青年が長距離、駅伝をやりたいと思ってもらいたい」と意気込んでいた。また、この大会までに実業団チームへの“口撃”で盛り上げてきた点について問われると、「僕はそんなに性格の悪い男じゃないですよ。あえての演出の部分はある。その点はご理解ください」と前置きした上で「初の実業団と大学のガチンコ。過激なことをいえば盛り上がる。大会が注目される、視聴率が上がる、スポンサーも喜ぶ。じゃあ来年もやろうか、となる。ボクシングのにらみ合いのようなもの」と、陸上界を盛り上げる思いがあったことを明かしていた。

 会見後には外国人選手も起用してきたトヨタ自動車など実業団に「(トヨタは)太田、外人できたら単独になっておもろないで。駅伝の魅力がなくなるよ」とボヤき、4年生が使えない大学の事情に「それを言い訳にするつもりはないけど、そこまでしてお前たち勝ちたいかという話になってくる。実情そうだから。原理原則日本国内の駅伝大会になんで日本人を使わないんですかっていう話」と力説していた。