◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 2日目(14日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)10番スタートの初日、ジャスティン・トーマスは16番(パー5)を終えた時点で2アンダーと首位…

ジャスティン・トーマスが記録ずくめの「62」で急浮上した

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 2日目(14日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)

10番スタートの初日、ジャスティン・トーマスは16番(パー5)を終えた時点で2アンダーと首位に並んでいた。しかし、悪夢のようなラウンドはそこから始まった。アイランドグリーンの17番(パー3)でティショットを池に落としてトリプルボギーをたたくと、18番も1Wショットはフェアウェイよりもはるかに左で派手な水しぶきを上げた。

初日にスコア貢献度でフィールド最下位だったショットが復活

「17番でも、そして18番でも判断を誤った。そういうのが腹立たしかったんだ」。上位争いから一転、2ホールで“+5”の動揺を隠しきれず、後半も4番から4ホール連続でスコアを落とした。6オーバー「78」で134位と大きく出遅れ、「動揺したよ。ひどいものだった。スコアは最悪。ドライビングも、アイアンのプレーもキャリアで最悪のラウンドだった」。傷心の2021年大会覇者を励ましたのがジル夫人だったという。「長い時間、話を聞いてくれた。僕がいいゴルフをたくさんしてきたことを思い出させてくれて、前向きになれた」と感謝する。

初日から16ストローク縮めた

一夜明けたこの日、いきなり2連続バーディ発進した前半アウトで5つ伸ばすと、10番で3mのチャンスを逃そうとお構いなし。11番(パー5)から怒とうの4連続バーディを決めた。13番(パー3)は5.5mが右からコロンとカップに消え、14番は残り161ydのセカンドをピンの根元に突き刺した。膨らむギャラリーの期待に、トーマス自身も乗っていく。名物17番も6m近い距離をジャストタッチで沈めて2連続バーディ。ティショットを右に曲げた18番でセカンドが池にこぼれたものの、ナイスボギーで締めくくった。

2023年大会の3日目、同組で回っていた時にトム・ホジーがマークしたコースレコードに並ぶ「62」。1ラウンド11バーディ、初日→2日目で縮めた16ストロークはいずれも大会新記録となった。「精神的なものが一番大きかったと思う。ひたすら前を見て、今やっていることに集中する。ティイングエリアに立ったら、ただフェアウェイを狙うんだ。それが最も難しいことでもあり、スコッティ(シェフラー)の長所でもあると思っている。こんなにうまくラウンドできたのは本当に久しぶりだったから、スコアよりもそのことを誇りに思うよ」

獲りも獲ったり11バーディは大会新記録

予選通過が絶望視されたポジションから、通算4アンダー29位に浮上。首位とは7打差で、ビッグスコア翌日の難しさもある。それでも、決勝ラウンドが楽しみで仕方ない。「このチャレンジが、きのうのチャレンジよりもずっと好きだ。ワクワクしてるよ。カット(予選通過ライン)に入るということは、本当に、本当に大きなことなんだ。そうしない限り、トーナメントで勝つチャンスはないのだから」。不可能に思える大逆転だって、いまならできそうな気がしている。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/亀山泰宏)