広島の貧打解消はなるか。9日にはオープン戦で3戦連続完封負けを喫するなど、今季も開幕前から得点力不足が懸念されている。幾多の強打者を育成した打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が、広島の各打者に見える課題を指摘した。…
広島の貧打解消はなるか。9日にはオープン戦で3戦連続完封負けを喫するなど、今季も開幕前から得点力不足が懸念されている。幾多の強打者を育成した打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が、広島の各打者に見える課題を指摘した。
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12日のDeNA戦では田村、末包、林に結果が出ていたし、二俣や捕手の清水にしても楽しみな若手は多いよね。新井監督が現役時代にそうだったように秋、春のキャンプで徹底的に振り込み、量で質を作る練習をしてきたと思う。ここからは主戦級の登板が増えてくる中で、どれだけアピールできるかというところだと思う。
昨年、そしてオープン戦で広島の各打者、特に若手を見ていて感じることは、カウントごとの変わり身ができているかということ。プロ野球において「来た球を打つ」なんていうのはよほどの選手じゃないとできないよ。メンタル面が大事で、頭を使って打たなければいけない。
0コンマ数秒の世界で、相手の投手に対して2段構えの準備ができているか。打ちにいく中で、「こう曲がってきたらこう対応する」という予測と準備をしておかなければいけない。一球で仕留めるのが理想だけど、そんな簡単なことじゃないからね。
それと、昨年もそうだったが、カープの左打者は走り打ちの選手が目立つ。逆方向、ミートだけを考えるとそうなりがちだが、若いカウントではもっと振り切っていい。主軸である小園についても言えることだが、左手で押し込むように、背中をバットでたたくようなスイングができればもっと長打も増える。小園はホームランが2本、3本で終わるような選手じゃないし、20本弱は打てる力がある。
矢野にしても同じで、本塁打を打つタイプではないが、もっと腰を入れて振ることが大事。塁に出ようという意識はいいが、うまく打とうというスイングに見えるよね。バスケやバレーの選手も、沈み込んでジャンプするでしょう。それと同じで当て逃げのスイングではなく、下半身の力を生かしたスイングをしないといけないね。
最後に外国人について。ファビアンについては以前も連続写真の分析で説明したが、開きが早く、下半身がほどけてしまうと対応は難しい。モンテロについても同じで、今は真っすぐを引っ張ったレフトへの打球が目立つ。プルヒッティングするのではなく、オープン戦から2段構えの考え方で試すことも大切だ。
かつて、横浜、中日で活躍したウッズも来日したての頃はオープン戦で全然打てなかったが、ある試合で右中間にホームランを打って一変した。日本では広角に打つことができなければ成功できない。意識を変えることでつかむこともあるので、外国人はどんどん打席に立たせて日本の投手に慣れさせていくことが大事だろうね。