ツアー通算3勝の大江香織は、6年ぶりの復帰シーズンを前に着々と準備を進めている。2019年「伊藤園レディス」を最後に第一線から退いたが、昨年のクオリファイングトーナメント(QT)に1次から挑んでQTランク90位。レギュラーツアー出場は厳し…

ツアー通算3勝の大江香織は、6年ぶりの復帰シーズンを前に着々と準備を進めている。2019年「伊藤園レディス」を最後に第一線から退いたが、昨年のクオリファイングトーナメント(QT)に1次から挑んでQTランク90位。レギュラーツアー出場は厳しいながら、下部ステップアップツアーの出場権を獲得した。復帰戦は4月3日開幕の下部ツアー第2戦「YANMAR HANASAKA Ladies」(滋賀・琵琶湖カントリー倶楽部 琵琶湖・三上コース)になる見通しだ。
21年に結婚し、翌年に第一子の女児を出産した。一度は競技生活を「やめます」と宣言して、第二の人生へと周囲から盛大に送り出された手前、復帰に葛藤はあったという。「でも、事務所の代表の戸張(捷)さんが『やった方がいいよ』って背中を押してくれて。じゃあ頑張ろう、となった」と決意を固めた。
「7歳からゴルフを始めて何十年とやってきて、やれることはやったし、これからどれだけ練習に時間を費やしても技術面では正直あまり変化はないのかなって。でも、体作りに関してはまだまだ足りないところばかり。やればちゃんと成果が返ってくる。裏切らない」。2歳になった長女の子育てもあり、以前のように練習に時間は割けない。ラウンド練習はどうしても制限されるが、トレーニングは長女を保育園に預けている時間を活用できる。
撤退前は腰痛もあって負荷をかけるメニューは極力避けていた。しかし、競技から離れたことで体調が回復。器具を使ったスクワットなどの新メニューもこなして「昔はドライバーで平均230yd前後だったけど、今は250yd飛んでいる時もあって。成果を感じる」と手応を深めている。
4月5日に35歳になる今季、ツアー出場は年間22試合予定の下部ツアー中心になる。出場試合数を絞って「出た試合で優勝」を目指す。13日に出場した、30歳以上の選手が対象のツアー外競技「KURE LADY GO CUP 2025 ~Let's Move 30's~」でも、ボールの飛び具合に他選手らからの称賛を浴びた。「同年代の選手のプレーを見て、優勝するのはまだまだ難しいと思った。一球もミスができないペアマッチに出ることができてよかった。緊張感のあるプレーをして、刺激がありました」。競技ゴルファーとして再出発の一歩を踏み出した。(編集部・石井操)