昨年、スコッティ・シェフラーはゴルフ史上最高のシーズンの一つを送った。その発端は「アーノルド・パーマー招待」だったが、…

スコッティ・シェフラーのパット向上を数値で分析(Getty Images)

昨年、スコッティ・シェフラーはゴルフ史上最高のシーズンの一つを送った。その発端は「アーノルド・パーマー招待」だったが、一つの重要なギア変更が大きな役割を果たした。

昨年ベイヒルへやって来た際、シェフラーは1年近く勝利から遠ざかっていた。パッティングの苦闘に当惑し、無双のボールストライキングにより生み出されたバーディチャンスをことごとく決めきれずにいたのだ。

その後、シェフラーがいつものハウスメイトで、ツアー選手の仲間でもあるサム・バーンズと、妊娠中の彼らの妻たちが寝ている間に、夜遅くまで起きて室内用のマットでパット練習をするまで状況は悪化した。シェフラーの長年の友人であり相談相手でもあるブラッド・ペインは、ダラスにあるシェフラーの自宅のダイニングでその時に抱えていたフラストレーションとどう対処するかについて話し合ったときのことをこう振り返った。

YouTubeに投稿されたPGAツアーのドキュメントリー「スコッティ24」でペインは、「いつだってインタビューは『君のパッティングについて話そう』という内容になった。それが毎日続いたんだ。彼はパッティングに取り組んでいたが、とてもイライラを募らせていた。彼らの家のダイニングテーブルに腰掛け、『君、調子はどうだい?』と問いかけてみると、彼は『上手く行っていないと思う』と答えたんだ」と述べている。

この会合は、シェフラーがストローク・ゲインド・パッティング(-4.36)で最下位に沈みながらも10位タイでフィニッシュした去年の「ジェネシス招待」の後に持たれたものだった。同大会後のツアーにおける同スタッツのランキングは127位で、グリーン上にて1ラウンドあたり0.5ストローク近く失っていた。

幸いにも、次に出場した大会で解決策を見出した。キャリアのほぼ全体を通じてブレードパターを使用してきたシェフラーは、昨年の「アーノルド・パーマー招待」でマレット型の新しいテーラーメイド「スパイダー」パターを初めて実戦投入したのである。

シェフラーは5打差で勝利し、51週間ぶりにPGAツアーでの優勝を果たした。シェフラーはこの勝利を皮切りに5週間で4勝を挙げ、勝てなかった1大会でも2位に入った。その間、「マスターズ」とシグニチャーイベント第2戦の「RBCヘリテージ」でも優勝した。最終的に2024年はPGAツアーで7勝を挙げつつ、パリ五輪で金メダルに輝き、フェデックスカップも制覇した。

「パリ五輪」では金メダルを胸に(Getty Images)

シェフラーは水曜に、「特にギアを変更する過程で、最初の週に酷い結果が出ると、自分ではなく用具のせいにすることの方が多いと思うんだ。だから、あの時はここのグリーンで良い週を送り、良い大会結果を得ることができて、間違いなく良かった。あれにより、この新しいギアで前進することに自信を持てたのは、間違いないね」と述べた。

2024年にベイヒルで優勝した際のストローク・ゲインド・パッティングは5位。パター変更から1年が経ったが、その間のデータは、このマレット型パターがグリーン上でいかに役立って来たかを示している。

昨年の「アーノルド・パーマー招待」以降、グリーン上で1ラウンドあたり0.3ストローク近くを稼いできたが、これはグリーン上で1ラウンドあたり0.44ストローク失っていた1年前と比べると、ラウンドあたり3/4ストロークの改善となる。1大会に換算すると約3ストロークの違いだ。

シェフラーはスパイダーへ変更した後の1ラウンドあたりの平均パット数を28.1としている。前年の平均パット数は29.2だった。最大の進歩は中距離のパットで見られた。昨年10~15フィート(約3~4.6m)のパットの33.4%を沈めたが、その前年は26.4%だった。15~20フィート(約4.6~6.1m)のパットとなると27.6%を沈めている(前年は21.1%だった)。

また、短いパットを外すことも減らしており、3~5フィート(約0.9~1.5m)のパット成功率は83.4%から89.8%に跳ね上がっている。さらに、3パット率も2.8%から1.4%へ半減している。

シェフラーはスパイダーへの変更に伴い、パットでのアライメント補助としてボールに引いたラインを使わない決断をした。これはより自分の感覚を頼りに、フルスイングする際の運動性を再現するためのものだった。

「この1年を振り返ると、グリーン上でボールに対しての感覚がどれだけ変わったかについて考えるんだ。ホールに入らないことがあると、ほとんど無理矢理ボールを入れようとあらゆる手段を尽くすのだけど、ゴルフはそういうものではない。このスポーツでは無理矢理は駄目なんだ。特にPGAツアーの大会で無理矢理は通じないね」

「もっと自由に感じて、ボールの線に合わせるのではなく、自分の運動能力を頼りに、できる限り単純にこのゲームをプレーすることに集中し、さっと済ませるんだ。1年前の自分を振り返ってみると、その辺が一番大きな違いかな」

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)