スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000/5月1~8日/賞金総額477万1360ユーロ/クレーコート)。 土曜日に行なわれた準決勝。全仏オープンへ向けたアンディ・マレー(イギリス)の快進撃は…

 スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000/5月1~8日/賞金総額477万1360ユーロ/クレーコート)。

 土曜日に行なわれた準決勝。全仏オープンへ向けたアンディ・マレー(イギリス)の快進撃は続いた。マレーは去年の決勝に続いてラファエル・ナダル(スペイン)を7-5 6-4で下して決勝に進んだ。

 マレーは11度のブレークのピンチををしのぎ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)との決勝に進んだ。ジョコビッチは第6シードの錦織圭(日清食品)を6-3-7-6(4)で下しての決勝進出だ。

 ジョコビッチはいずれのセットも錦織のサービスゲームを一度ずつ破り、30本のウイナーを奪って今季のツアー単独トップの32試合目の勝利での決勝進出だ。決勝では今季5度目の優勝をかけてマレーと対戦する。ジョコビッチが勝つとATP1000大会では29度目の優勝で、ナダルを1つ上回って、ふたたび単独トップとなる。

 マレーは日曜日の決勝で勝てないと、ロジャー・フェデラー(スイス)に昨年の11月以来守って来た2位の座を明け渡すことになる。

 ナダルにもチャンスがあったが、大事なポイントで取れなかったのが痛かった。試合時間は2時間11分の接戦だった。

「全体として、相手は僕より少しずつ上だった」とナダルは話している。

 マレーは同一のクレーコートの大会で、2年連続でナダルを破った初めての選手となった。

「ラファを相手にクレーで勝つというのは、すごくたくさんの選手たちができたことではない」とマレー。「去年のようなことはすごく珍しいことで、彼はベストのプレーができていなかった。彼をスペインのクレーコートで破るというのは、すごく大きなことだし、どんな選手たちにとっても大きなチャレンジだ。今年彼に勝てたということにすごく満足しているよ」。

 キャリアの序盤はクレーコートで苦戦していたマレーだったが、今季のクレーコートではここまでの8試合で7試合に勝って来ていた。ナダルに対してもこの5試合で4度敗れていた。

「僕にとっては大きな大きな一歩だ。この4、5週間前と比べるとね」とマレー。「今はまた正しい方に向っていると思えるよ」。

 ナダルはここまで13試合で連勝していたが、一度ストップとなった。元ナンバーワンのナダルは、モンテカルロ、バルセロナに続いて3大会連続となる優勝と、オープン化以降では最多となるクレーコートでの50タイトル目を狙っていたが、今回はお預けとなった。

「今日のマレーに勝てなかったというわけではない。とても接戦だった。互角の戦いだったと思う」とナダル。「自分のプレーは最高のレベルではなかった。でも、悪かったというほどでもない。自分としてはミディアムなレベルだった。でも、それじゃマレーを倒すのに十分ではなかったんだよ」。

 マレーは昨年の決勝でナダルをストレートで破ってクレーコートのATP1000大会では初のタイトルを手に入れていた。だが、先月のモンテカルロの大会では準決勝でナダルが勝利していた。

「去年よりもいい形での勝利だったと思う」とマレー。「去年の決勝での彼は、ベストの状態ではなかったと思う。今日も彼のベストだったとは言わないけど、去年の彼よりはいいプレーだったからね」。

 ナダルは2年続けてマレーに敗れたが、半月後に迫った全仏オープンに向けてはいいペースで来ていると話している。ナダルはいいプレーができていたし、勝つこともできただろうが、少しばかり不運だったと話している。

「自分としてはいい1週間だったと思う。準決勝に進めたしね。最近は毎週とても安定したプレーができている。これはいいニュースだと思うよ」と現在5位のナダルは言う。「今日はメンタル的にはOKだった。最後までたくさんファイトできた。打開策を見つけるために何度もトライできていたし、自分としてもそれができていたと思う」。

 今年のナダルは、自信を失っていた去年とは違った状況だ。去年はグランドスラムタイトルを取れず、年間でわずか3タイトルに留まった。だが、シーズン終盤には粘り強さと強い気持ちを取り戻し、今年の活躍につなげている。

 ナダルはこの2週間はモンテカルロとバルセロナで連勝して今大会を迎えていた。

「この3大会で2つ勝てた。残りの1つも準決勝だ。素晴らしい出来のクレーコート・シーズンだと思うよ」とナダル。「このまま続けていくようにしたいし、たぶんこれでよりリズムもつかめていくと思う」。

 ナダルは全仏オープンでは10度目の優勝を目指すことになる。昨年はジョコビッチに準々決勝で止められていた。

「まずはフレッシュなフィジカルとメンタルの状態で大会を迎えることが必要。そして、自分のベストのテニスをしないといけないんだ」とナダル。「今は戦うことが楽しいと感じている。すごく気分がいいんだ」。

 マレーに対する敗退も簡単に乗り越えられるナダルは話している。

「もっと良くなり続けないといけないと自分自身を批判し続けることは必要」とナダル。「すごくいい試合をしたわけでもないのに、自分が世界で2番目の選手にまるで相手にならない試合をした、というわけではないのは本当だからね」と彼は言い、「今は前向きな気持ちでいるよ。このままのペースでいきたいね」。(C)AP