2025年3月2日、浦和レッズ対柏レイソルの試合が埼玉スタジアム2002で行われた。試合は、0-2で柏が勝利した。柏の…

 2025年3月2日、浦和レッズ対柏レイソルの試合が埼玉スタジアム2002で行われた。試合は、0-2で柏が勝利した。柏のフォーメーションは「3-5-2」の3バック。浦和は、前節の湘南戦と同じフォーメーションの「4-2-3-1」で挑んだ。浦和はトップ下だった松本泰志をボランチに、さらに前田直輝と原口元気をスタメンで使ってきた。
 試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=Md24vh4YixQ

■「素晴らしい」フリーキック

 記事前半で分析した13分の柏のゴールに続いては、20分のマテウス・サヴィオのフリーキック(以降FK)の場面である。

【20分のサヴィオのFKの場面】
 正確なサヴィオのFK。ダニーロ・ボザがフリーになって頭で合わせるが、ボールは枠から外れてしまう。柏はゾーンで守っているので、選手と選手の間にボールを蹴られて、その間に浦和の選手に飛び込んで来られるとケアできない。それほど素晴らしいFKだった。合わせるだけだったので、ボザには決めてほしいところだろう。ボザが首を振るのが早すぎたので、枠から外れたのである。

【22分の柏の左サイドからのクロスの場面】
 柏のディフェンダー(以降DF)から左ウイングバック(以降WB)の小屋松知哉にパスが通る。浦和のフォワード(以降FW)はまったくプレッシャーをかけに行かない。小屋松が出したパスを関根貴大が奪う。関根はボザにバックパスを出す。しかし、ボールの勢いがないところに、奪われた小屋松が全速力で走ってきてインターセプトする。クロスを入れるが、惜しくもFW木下康介のシュートは枠を外れる。関根は後ろから小屋松が追いかけてきているとは思ってもいなかったようだ。さらに、カバーに入ったボザも軽く足を出すだけで、体を使って防ごうとはしない。DF陣がこうした軽い守備をしていれば、いつ得点を入れられても不思議ではない。
 

■シュートがことごとく「GK正面」に

【27分のサヴィオのミドルシュートの場面】
 右ウイング(以降WG)の前田直輝にボールが渡る。前田がペナルティエリアに入ったときに、柏の選手が6人戻ってきている。柏が6人で浦和が3人の6対3である。バイタルエリアに入ってきたサヴィオにボールが渡されて、シュートを打つ。ボールはGKが弾いて得点にならなかった。サヴィオがシュート打った瞬間、柏は9人が守備についていた。浦和は3人のまま、変わらず。こうした場合は、浦和の選手も攻撃参加のために前線にもっと絡んできてもいい。

【30分の柏の得点シーン場面】
 柏に完璧に崩されてしまっている。中盤でボールを持ったときに、右WBがワイドにフリーで張っている。浦和の前線の選手たちは相手にボールが渡っても、戻ろうとしないで歩いている。柏の中盤を潰さないとならないので、CBのボザがセンターラインを越えてプレスにくる。ボールが右に出されたので、ボザは全力で戻るのだが、柏の木下がニアに入ろうとしたので、マリウス・ホイブラーテンとボザが木下の動きに釣られてニアをケアしようと走る。柏のFW垣田裕暉が中盤で浦和の選手と接触して倒される。だが、右WBにボールが渡った瞬間に、立ち上がって全速力でペナルティエリアに向かう。浦和の松本泰志を追い越してクロスの到達地点に先に入る。クロスに頭で合わせて追加点を奪う。松本は、倒れていた垣田がまさか走ってくるとは思わなかったので、追い越されるまで走るスピードを上げていない。追い越されてから慌てて走り出したのだが、時すでに遅しだった。

 前半で0-2となったので、後半の柏は無理に攻め込むことはしなかった。シュートを打つよりも、ボールを失ってカウンターを喰らわないように、攻撃には人数を前半よりもかけないで戦った。ゴールキーパーと1対1になった前田のシュートや、マテウス・サヴィオやチアゴ・サンタナの惜しいシュートがあった。しかし、柏はシューターの前に2人の選手を立たせてシュートコースを限定してきた。だから、浦和のシュートがことごとくGKの正面をついていたのである。

 浦和には、決定的な得点シーンがないわけではない。何度かチャンスはあるのだが、決定機を逸してしまった。その機会を失わないためには、相手に先制点を与えないことだ。そのためにも、守りを重視したメンバーと守備意識の高い戦い方が必要である。ただ、今の浦和は、一部の識者が言うような「ハイプレス」の戦術などを採用してはいないことだけは確かだ。

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