■途中出場の選手の活躍は昨シーズンからの強み【3月2日 13時3分キックオフ 熊本 0ー4 大宮 えがお健康スタジアム…

■途中出場の選手の活躍は昨シーズンからの強み

【3月2日 13時3分キックオフ 熊本 0ー4 大宮 えがお健康スタジアム】

 ここまで3節を終えたJ2リーグで、J3から復帰したRB大宮アルディージャが首位に立っている。開幕節で昨シーズン4位のモンテディオ山形に2対1で競り勝ち、第2節はヴァンフォーレ甲府をウノゼロで退けた。そして3月2日開催の第3節では、ロアッソ熊本を4対0で下している。

 昨シーズンから指揮を執る長澤徹監督のもとで、積み上げてきたものが結果に表われている。一人ひとりがしっかりとタスクを果たしているなかで、新加入の右CBガブリエウが勝利に直結する働きを見せている。

 熊本に押し込まれる時間帯もあった前半、ガブリエウは相手のクロスを何度もヘディングで跳ね返した。38分には相手左ウイングとの1対1で、力強くボールを奪い取った。ここまで3試合で1失点の守備力を、横浜FCから加入したこのブラジル人が支えている。

 攻撃面での貢献度も高い。開幕節から「スバッ」と音がするような縦パスを差し込んでいるが、この日はそのパスが得点につながった。57分、DFラインの間をとったFW藤井一志へ、自陣から鮮やかな縦パスを通した。

 この場面を含めて2得点を記録した藤井は、3戦連発の4ゴールと絶好調だ。開幕節で負傷交代したFWファビアン・ゴンザレスに代わってスタメンで起用され、しっかりと結果を残している。

 熊本戦では途中出場のカプリーニが、ダメ押しの4点目をゲットした。そのゴールをアシストしたのも、途中出場のDF関口凱心である。

 長澤徹監督は「レギュラー11人という考えかたはしていない。(メンバーに)登録された選手が自分のなかでのレギュラーと、選手には伝えています」と話す。途中出場の選手が得点に絡んだり、試合をクローズさせたりするのは、昨シーズンからチームの強みとなっている。

■ボール保持率で劣ってもシュート数は圧倒

 長澤監督はRB大宮のサッカーを、「第3の立ち位置」と表現する。

「ボールを持ってポゼッションしまくるわけでなく、ドン引きしてカウンターを狙うわけでもない。我々はRBなので、ボールを奪いにいって必要なら早く攻めるし、必要ならしっかりボールを握る」

 熊本戦のボール支配率は、40パーセントを切った。60パーセント以上は相手に握られたわけだが、シュート数では14対3と圧倒している。ポゼッションに拘泥しない「第3の立ち位置」を体現するデータだ。4つの得点シーン以外にも決定機を作り出し、熊本にはほぼチャンスを与えていない。

 レッドブルグループの中核を成すRBライプツィヒは、高強度で縦に速いサッカーを特徴とする。現代サッカーのトレンドに即したもので、長澤監督も「相手が揃う前に得点を狙いにいくのは絶対条件」で、「ボールを奪って5秒後には相手ゴール前で数的優位を作れるかどうか」を、昨シーズンの就任当初から選手たちに問いかけてきた。「色々な考えかたがありますけれど、まずは最短距離で狙う」としている。それもまた、「第3の立ち位置」としてのスタンスだ。

 レッドブルのグローバルネットワーク入りしたことで注目を集めているが、RB大宮の開幕3連勝には確固とした根拠がある。そして、積み上げてきたものを戦いの土台とするチームは、勝つことで自信を深めている。

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