◇米女子下部◇セントラルフロリダ選手権 最終日(2日)◇カントリークラブofウィンターヘブン(フロリダ州)◇6572d…
◇米女子下部◇セントラルフロリダ選手権 最終日(2日)◇カントリークラブofウィンターヘブン(フロリダ州)◇6572d(パー72)
最終日の1番ティ、原英莉花の名前がコールされても拍手はまばらだった。ギャラリーロープすら張られていないコース内には、日本ツアーのようにラウンドについて歩き、熱心に声援を送るファンもほぼいない。上位陣の組にだけ、キャリングボードを手にしたボランティアスタッフが帯同して局地的にトーナメントの雰囲気を演出しようとしている。
選手、スタッフ、そしてわずかなギャラリーもクラブハウスの目の前に車をとめてコースへ出る。シンプルかつコンパクトな造りの今週のクラブハウスで食べられるのは、サンドイッチくらいだと聞いた。練習場も、選手が使用する各メーカーのボールを取りそろえたレギュラーツアーとは違う。全打席、単一メーカーのボールがかごに盛られている。それが下部エプソンツアーのリアルだ。
昨年12月の最終予選会で涙をのんだ原は、その日のうちに下部挑戦の意向を示唆していた。エプソンツアーに出場した場合、国内ツアーの前年度欠場競技等への出場義務が免除されないため、今季の単年シード権を放棄。26歳の誕生日だった2月15日も含めて米国で合宿を張り、新天地での開幕に備えてきた。
覚悟を決めたチャレンジで見据えるのは、もちろんこれまで届かなかった米ツアーへの道。自分自身に変化を促したい思いもあったという。「同じ環境、ずっと日本でやってきて、春先がダメで…っていう自分のパターンが見えてきちゃう。それに対して諦めじゃないけど、仕方ないかとか、自分に求めるところがシビアじゃなくなっちゃうのがすごくイヤだった。環境を変えて、ゴルフに真剣に向き合いたいと思ったのが一番です」
日本での5勝のうち、「日本女子オープン」(2勝)と「JLPGAツアー選手権リコーカップ」のメジャーを含めて10月以降に獲ったタイトルが4勝を占める。スロースターターぶりにじくじたる思いを抱きながら、秋からのビッグトーナメントを中心に存在感を示す勝負強さ。繰り返すうちに「“それでいいじゃん”って思っちゃう部分があった(かもしれない)」と自分を戒める。
全20戦と試合数が多くはない下部ツアーで年間ポイントランキングで上位10人に入って米ツアー切符をつかむ上で、出遅れは致命的となりかねない。開幕戦28位フィニッシュから、まずは残るフロリダ2連戦で挽回を誓う。「(日本の)ファンの皆さんとも会えなくなってしまいますし、寂しい気もしますけど、やっぱり、私はゴルフをやる上で成長していきたい。そこを求めて頑張りたい」。変革の先に夢舞台がある。(フロリダ州ウィンターヘブン/亀山泰宏)