「間が1カ月もあったら、どうなっているか、全然、わからないわよね」そんな風に私がカレンダーを眺めていたのは木曜日、コパ・…
「間が1カ月もあったら、どうなっているか、全然、わからないわよね」そんな風に私がカレンダーを眺めていたのは木曜日、コパ・デル・レイ準決勝2ndレグの日付確認をしていた時のことでした。いやあ、1stレグを共にアウェイでプレーしたマドリッドの兄貴分たちは、どちらも決勝進出に期待を持たせる、いい感じの結果を出すことができたんですけどね。問題は、今季はヨーロッパの大会が新バージョンになったため、CLなど、以前は長々4週間かけてやっていた16強対決が3月上旬の2週間で完結することに。
そう、CLマドリーダービーでガチンコ対決するレアル・マドリーとアトレティコはもとより、バルサもベンフィカ戦、レアル・ソシエダもEL16強対決のマンチェスター・ユナイテッド戦がありますからね。そこで敗退したコパ4強チームにはショックが残るんじゃないかと思ったんですが、真逆でコパ優勝に尚更燃えてしまうなんてこともある?加えて現在、リーガの首位争いも1位バルサと2位マドリーは同じ勝ち点、3位のアトレティコもたった1差という、毎節、順番が変わってもまったくおかしくない壮絶状態となれば、4月1、2日にコパ準決勝2ndレグを迎える頃には皆、そんな大会もあったなぐらいの気分になってそうなのが、ちょっと心配なんですが…。
まあ、そんなことはともかく、このミッドウィークのコパ2試合がどんなだったか、お話ししていくことにすると。まず、火曜にモンジュイックでバルサとプレーしたアトレティコの方なんですが、いやもう、それがこの世のものとは思えない大激戦となってねえ。とにかく初っ端から、目が点となってしまったのは、アトレティコの猛ラッシュスタートで、だってえ、開始から30秒にはフリアン・アルバレスが撃ったヘッドをGKシュシェスニーが弾き、CKを獲得しているんですよ。おまけにグリーズマンが一旦、ショートで出した後、エリア内に入れたクロスをラングレが頭で流し、そのボールをフリアンがゴール左前から蹴り込んで、1分経つ前に先制点が入っているって、あまりに早すぎるじゃないですか。
おまけに彼らは6分にもフリアンが自陣でクンデからボールを奪い、カウンターに走るグリーズマンにスルーパス。背番号7がエリア内左から撃ったシュートがGKに当たりながらもゴールに入り、2点目になったとなれば、もしやこの日、眠ったままピッチに入ったのはバルサの方だった?でもねえ、通常ならアトレティコにとって、2点差はまずまず安全圏だったんですが、ゴールを浴びて目を覚ました相手に以降、自陣に押し込まれてしまってねえ。なるほど、こんなところで前節のバレンシア戦後半に引きこもり守備の練習をしたのが生きてくるのかと思えば、いやいや、敵は降格圏のチームではなく、リーガ首位のバルサ。
12分、レバンドフスキの代わりに先発したフェラン・トーレスのシュートこそ、コパ専任GKのムッソが止めてくれたものの、20分にはクンデのラストパスをペドリに決められて1点差にされると、何とその1分後にはCK守備で、うーん、CLレバークーゼン戦に続き、セルタ戦でも早期退場したバリオスは反省が行き過ぎましたかね。3才年下のクバルシを抑えることができず、まんまと同点ヘッドを決められてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。そのバルサ初ゴールを挙げた18才は41分にもラフィーニャがCKを蹴る時、イニゴ・マルティネスのマークをしていたジョレンテの邪魔をして、先輩CBがやはり頭で勝ち越し点を挙げるのに協力していたんですが、ちょっとお、前半のうちに0-2が3-2になるって、一体どういうこと?
おかげでハーフタイムが来た時にはすでに頭がクラクラしていた私だったんですが、この日のシメオネ監督は後半頭からの3人一斉交代を行わず。それでも10分後にはガランとジュリアーノをレイニウドとリノに、15分にはギャラガーをモリーナに、22分にはデ・パウルとグリーズマンをコレアとセルロートへと短時間で交代枠を使い尽くして反撃を試みたものの、いえ、27分にはノルウェー人大型FWのゴールが決まったんですけどね。残念ながら、オフサイドで認められなかっただけでなく、その2分後にはとうとう17才のジャマルが真価を発揮。
イエローカードをもらっていたガランがレイニウドになっても何のその、右側からエリア内に入り込んだ彼にゴール前へのキラーパスを送られて、途中出場していたレバンドフスキに4点目を入れられてしまったとなれば、もうコパは終わったと諦めてしまったアトレティコファンがいても不思議はなかったかと。それがまさか、「Hay un espíritu de gladiadores increíbles/アイ・ウン・エスピリトゥ・デ・グラディアドーレス・インクレイブレス(信じられない程の剣闘士の精神がある)」(シメオネ監督)選手たちが、昨年12月最後のリーガ戦のデジャブのようなことをやってくれたから、ビックリしたの何のって。
いえ、37分、ピッチに残っていたフリアンがコレアにボールを繋ぐと、彼が折り返したパスを駆けつけたジョレンテが撃ち込んで、スコアが4-3になった時はまだ単なる心の慰み程度だったんですけどね。何とロスタイム3分、自陣からのラングレのロングボールをリノが受け取り、ゴール前のセルロートにラストパス。「バルサ相手には4、5本決めていると思う。Incluso cuando me desperté esta mañana, sabía que iba a marcar/インクルソ・クアンドー・メ・デスペルテ・エスタ・マニャーナ、サビア・ケ・イバ・ア・マルカル(今朝、目が覚めた時からゴールを決めることを知っていた程にね)」という彼のシュートが、今季チーム16本目の後半ロスタイムゴールとなり、とうとう4-4の同点に追いついちゃったんですから、このアトレティコ、根性半端ないじゃないですか。
いえまあ、試合後、まだ22才ながら、若い選手が多いせいで、すっかりベテランの顔になっているペドリも「Ya nos pasó en Liga/ジャー・ノス・パソ・エン・リーガ(もうリーガでも起きたこと)。試合の最後の数分はボールをキープして、そんなに守備ラインを上げないことを学ばないといけない」と言っていたように、この土壇場の同点劇にはバルサの油断と疲労のおかげもあったんですけどね。それでも結果、「Nos vamos con este 4-4, eliminatoria abierta/ノス・バモス・コン・エステ・クアトロ・クアトロ、エリミナトリア・アビエルタ(この4-4を持ってウチは帰る。準決勝はまだオープンのままだ)。難しい相手だが、こちらにも武器はある」(シメオネ監督)となれば、ええ、2ndレグはメトロポリターノ開催なんですよ。
となれば、後はセットプレー守備の課題克服だけは忘れずに、4月2日が近づくまで、他の大会に専念するばかりですが、今週末のアトレティコのリーガ26節は土曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのアスレティック戦。一応こちら、勝ち点差は5あるものの、一応、3位と4位の対戦になりますからね。相手にはコパはなく、来週のELローマ戦も木曜と先でローテも不要のため、シメオネ監督も主力選手を休ませられないのは辛いところですが、それでも来週火曜のCLマドリー戦に備えて、メンバー変更はある?ちなみにこの試合もアトレティコで欠けるのはコケとアスピリクエタだけになりそうです。
そして翌水曜、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)でマドリーのレアル・ソシエダ戦1stレグがあったんですが、いやあ、同じ16強対決プレーオフ組で相手も消耗しているのと2ndレグはサンティアゴ・ベルナベウというのを当てにして、アンチェロッティ監督も賭けに出たんですかね。準決勝にふさわしく、アトレティコ同様、ソシエダがベストメンバーを並べてきたのに対して、2日前に親知らずを抜いたエムバペ、過重労働で筋肉疲労しているバルベルデ、ここまでコパ専任GKがルニンなのをいいことに、クルトワまでがマドリッドでお留守番という辺りから、もう驚かされてはいたんですけどね。
おまけにレアル・アレナのピッチに立った先発の中にはロドリゴも準レギュラーのブライムもおらず、ルーカス・バスケスもベンチスタート。CBのアセンシオが右SBを務める実験的な布陣だったんですが、それでも何とかなっちゃったんですよ。その一番の原因はGKルニンが冴えていたのと同時に、開始4分から撃っていった久保建英選手を始め、オジャルサバル、バレネチェアら、ソシエダの前線に決定力が欠けていたせいもあるんですが、対照的にマドリーは前半19分、ワンチャンスをものにすることに。
そう、「Cuando Bellingham tenía el balón vi el campo libre y supe que tenía que correr/クアンドー・ベリンガム・テニア・エル・バロン・ビ・エル・カンポ・リブレ・イ・スペ・ケ・テニア・ケ・コレール(ベリンガムがボールを持った時、ピッチが開けているのを見て、自分は走らないといけないと知っていた)」というエンドリックが、リーガとCLのダブル出場停止処分により、ここ2週間でこの試合しかプレーできないイギリス人MFのロングパスを上半身を使ってトラップ。そのままエリア内に突入して、GKレミロを破ってしまったからですが、その辺はさすがわざわざ、ブラジルからマドリーに連れて来られたFWだけのことはある?
実際、アンチェロッティ監督も「Tiene mucho acierto ante la potería/ティエネ・ムーチョ・アシエルトー・アンテ・ラ・ポルテリア(ゴールを前にとても高い決定力を持っている)」と褒めていたんですけどね。何より彼の偉さは出場機会が滅多に回ってこず、出ても最後の数分とかでも決して不貞腐れたりせず、「Es muy joven, muy rápido y aprende con velocidad/エス・ムイ・ホベン、ムイ・ラピドー・イアプレンデ・コン・ベロシダッド(彼はとても若くて素早くて、学ぶスピードも早い)」(アンチェロティ監督)と精進を続けているところかと。
結局、後半はどちらもゴール運に恵まれず、いえ、エンドリックが絶好機に枠に当ててしまったなんてことはあったんですけどね。そのまま試合は0-1でマドリーが勝ったんですが、2つ残念な出来事があって、まずはハーフタイム入り直前、バレネチェアを倒してイエローカードをもらったアセンシオにスタンドから、「Asencio muérete/アセンシオ・ムエレテ(アセンシオ、信じまえ)」のカンティコ(チャント)が聞こえたせいで、プレーが一時中断。いやあ、最初は私も理由がわからず、この日、初めてキャプテンマークを付けたビニシウスが主審と話していたため、また彼に人種差別的野次が飛んだのかと思ったんですけどね。
そうではなく、犠牲になったのは22才のカンテラーノ(RMカスティージャの選手)だったんですが、主審が規則に沿って、注意を促す場内アナウンスするように頼み、それが流れた後、ようやくプレーは再開することに。そのせいもあって、「Estaba afectado. Lo cambié por eso y por la amarilla/エスタバ・アフェクタードー。ロ・カンビエ・ポル・エソ・イ・ラ・アマリージャ(影響を受けていた。それとイエローカードで代えた)」という判断をアンチェロッティ監督がしたため、アセンシオは後半のピッチには出て来ず、ルーカス・バスケスになっていたんですが、もう1つの不幸は後半ロスタイムになって到来。
こちらは久保選手のヒザが脚にぶつかったセバージョスの負傷で、それがマドリッドに戻って検査した結果、左太ももを痛めて全治2カ月というから、さあ大変!もちろん、マドリーの中盤にはモドリッチやカマビンガ、チュアメニもいるんですが、何せ、このところの彼は3年前にアーセナルから来て以来、初めてと言っていい程、出場が続いていましたからね。まさに好事魔多しですが、とりあえず、この週末、チームは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ベニト・ビジャマリンでベティス戦に挑むことに。
ちなみにこの試合、元々、日曜に設定されていたのが、CLマドリーダービーが火曜となったため、前倒しされたんですが、木曜には前節のヘタフェ戦で退場していた、この冬、マンチェスター・ユナイテッドからレンタルでベティスに来た期待のFW、アントニーのレッドカードが取り消されるなんてことも。審判の勘違いレッドで2試合もベリンガムが出場停止になったマドリーにしてみれば、不公平極まりない気分でしょうが、大丈夫。エムバペやクルトワが体力回復して戻って来ますし、ここはしっかりベティスに勝って、同じ勝ち点の弟分、ラージョの6位キープを援護射撃してあげてほしいかと。
いえ、もちろん、その前の時間帯でホーム連戦2試合目となるセビージャ戦に挑むラージョの自助努力も欠かせませんけどね。イニゴ・ペレス監督のチームにも前節ビジャレアル戦で退場となったデ・フルートスが出場停止2試合になってしまったため、貴重な前線の選手が使えないという弱みが。負傷交代したイシが戻って来られるのかもわかりませんし、アルバロ・ガルシアにしか頼れないのはちょっと辛いところかもしれません。
その一方で残りの弟分、レガネスとヘタフェは日曜にブタルケでダービーとなるんですが、どちらも前節はそれぞれ、ソシエダ、ベティスに負けたばかり。とりわけ降格圏との差が勝ち点1しかないボルハ・ヒメネス監督のチームにとっては絶対に落とせない試合なんですが、14位のお隣さんも早く残留目安の勝ち点40までの残り10ポイントを貯めちゃいたいはずですからね。ビジターファン用300枚のチケットも即完売したそうで、ボルダラス監督のチームも孤立無援ではないため、きっと競った展開になるんじゃないでしょうか。