【明治安田J1リーグ 第3節 横浜F・マリノスvs横浜FC 2025年2月26日19:03キックオフ】 撮影/原壮史(S…

【明治安田J1リーグ 第3節 横浜F・マリノスvs横浜FC 2025年2月26日19:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)

■試合結果

横浜F・マリノス  0-0 横浜FC

■徐々に「組み立ての段階」でミスが!

  横浜F・マリノスは、これまでホームでの「横浜ダービー」で4戦全勝。それも4試合すべてで4得点以上と、力の差を見せつける勝ち方でサポーターの応援にこたえてきた。
 試合は、ボールを持つマリノスと、人数をかけた守備からサイドアタックのカウンターを狙う横浜FCという構図でスタート。
 マリノスの遠野大弥と井上健太の両翼が縦への突破を見せたが、エリア内の人数で横浜FCが上回ったこと、クロスの精度を欠いたことで得点が生まれない。
 なかなか攻撃に「プラスの変化」が起こらないマリノスは、徐々に組み立ての段階でミスが生まれ、相手ボールのスローインにしてしまうことが幾度も起こるようになってしまった。
 アンデルソン・ロペスが下がってボールに関与したり、山根陸が狭いスペースへと思い切って進入したりと現状打破を試みたものの、横浜FCの守備を破るには至らない。
 0-0でハーフタイムを迎えた。
 

■「チームにとってのベストは何か」

 後半も展開は変わらない。井上と新保海鈴や、鈴木冬一とジョアン・パウロによるサイドでの勢力争いは局面ごとに見応えのあるものだったが、いずれも拮抗していたため、試合の行方を左右するほどの差が、そこで発生することはなかった。
 終盤に差し掛かると、流れの中から得点しそうなのはマリノス、セットプレーから得点しそうなのは横浜FC、という状態に。
 ようやく互いの攻撃がゴールに近づくようになっていった。
 マリノスはヤン・マテウス、エウベル、ジャン・クルードといった外国籍の選手たちを途中投入したが、横浜FCはゴール前に人数をかけて守り、彼らの「個」を発揮させず。
 エウベルは低い位置からのプレーを余儀なくされ、マテウスは内側への侵入を許されなかった。
 横浜FCは守りを優先させながらも、マリノスの攻撃を大きく跳ね返し、セットプレーの場面で櫻川ソロモンの高さを使って最後まで勝利を目指した。結局、朴一圭と市川暉記の両ゴールキーパーがゴールを守り抜き、スコアレスのままでのタイムアップとなった。
 タイムアップの瞬間、マリノスサポーターからは大きなブーイングが起こった。試合後のあいさつ中もブーイングは止まない。
 ホームのダービーで初めて勝てなかったことに加え、シーズン開幕から、すべての試合で攻撃力を見せられていない、チームに対しての不安と不満が渦巻いていた。
 スティーブ・ホーランド監督は守備を整備しているが、リーグ戦に加えてACLEと、連戦続きのために練習時間が限られ、攻撃とのミックスが思うように進んでいないように見える。
 エウベルは「監督の哲学は尊重すべきもので、自分たちが適応し、実行していくべきだ。ただし、結果が出ず、時間が過ぎてしまうのならば、そのときは哲学がありながらもチームにとってのベストが何なのかを見ることも必要だと思う」とコメント。
 この厳しい時期を抜け出すことはできるか。そして、抜け出すためには、どのような戦い方が必要なのか。昨年までの攻撃の下地があること、強力な個の力を備えていることは、チームが好転するための支えとなるのか。
 3連勝で首位と絶好調・湘南との一戦が、ターニングポイントになるかもしれない。横浜ダービーはスコアレスドローに終わった。

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