サッカーU-20日本代表が、U20アジアカップでベスト4へと進出、ワールドカップへの出場権を手にした。苦戦続きだったチ…
サッカーU-20日本代表が、U20アジアカップでベスト4へと進出、ワールドカップへの出場権を手にした。苦戦続きだったチームがアジア突破を果たした理由と、頂点へたどり着くために必要なことは何か。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■「攻撃の起点を作った」大関友翔
ただ、感心したのは早い時間に失点したのに、まったく慌てなかったことだ。焦ってロングボールを蹴ったりしていたら相手の思う壺だったろうが、短いパスをつなぐことでボール保持の時間を長くして次第に流れを取り戻した。
中盤では小倉幸成が守備的な役割を担い、大関友翔がパスをさばいて攻撃の起点を作る。右サイドハーフの佐藤龍之介も中に入ってパス回しに参加。佐藤が中に入ったスペースにはサイドバックの梅木怜が上がってくる。
そして、13分には佐藤から左サイドの石井久継にパスが渡り、石井のクロスから最初のチャンス。22分には左に開いた神田奏真のクロスに佐藤が飛び込んだが、シュートはGKのアルシャ・シャクーリに弾かれた。
■「会心のシュートを決めた」小倉幸成
こうして、日本がゲームを支配すると、不思議に1対1の勝負でも優位に立てる。センターバックの市原と喜多壱也は空中戦を制圧。開始早々からロングボールを蹴り込まれて苦しんでいた髙橋仁胡も、時間が経過すると競り合いでも互角に渡り合えるようになった。
そして、30分に左サイドでつないで形を作って髙橋が入れたクロスが逆サイドに抜け、そこからつないだボールを約25メートルの位置から小倉が狙った。失点のきっかけを作ってしまった小倉が会心のシュートを決めて、日本は早い時間に同点に追いつくことができた。
そして、その後も何度も決定機を迎えるのだが、イランのGKとDFの集中した守りで得点することができずに90分が経過してしまった。
日本にとって難しかったのは、グループリーグ最終戦からイランは中3日だったのに対して、日本は中2日だったこと。試合の流れは日本が握り続け、イランにとっても消耗は激しく、イランの選手が倒れる場面が多かった。
■将来の財産になる「PK戦」での勝利
しかし、90分が近づくと、さすがに日本選手にも疲労の色が濃くなり、パス精度が若干落ちてしまう。アバウトなボールが多くなったことで、イランが再び活性化してしまった。その結果、延長戦に入るとイランが攻め込む場面も増え、イランのシュートは後半45分でわずか1本だったのに、延長の30分で3本のシュートを記録した。
ただ、イランも消耗しており、シュート精度に欠けていた。日本も落ち着いて守って、結局、試合は1対1のドローに終わった。
PK戦ではイランは1本目にキャプテンのエルファン・ダルヴィッシュ・アアリが蹴ったが、アアリは試合中にも、かなり消耗が激しそうだった。案の定、アアリのキックは抑えがきかずにクロスバーを直撃。これで、PK戦の流れは日本に傾いた。
フル代表のワールドカップではPK戦で2度苦杯を飲んだ日本。これからはPK戦対策も重用になるが、若い世代がこうしたワールドカップ進出というプレッシャーのかかるPK戦で勝利した体験は、将来に向けての財産になることだろう。(3)に続く。