現在、中国で開催されているU20アジアカップ。Uー20日本代表も出場し、準々決勝進出を決めたが、その道のりは順調とはい…
現在、中国で開催されているU20アジアカップ。Uー20日本代表も出場し、準々決勝進出を決めたが、その道のりは順調とはいえず、薄氷を踏む思いのグループ2位通過。なぜ、苦戦しているのか。ワールドカップ出場権のかかった準々決勝のイラン戦の「展望」も含めて、現地で取材中のサッカージャーナリスト後藤健生が緊急リポート!
■「ポゼッション」「シュート数」で上回るも…
日本はこうして土壇場で追いつかれて1対1の引き分けに終わり、2位通過が確定。2月23日の準々決勝での対戦相手はC組1位のイランと決まった。
イランはグループCの最終戦で前回優勝のウズベキスタンを破って首位を決めた。
日韓戦の前日に行われたイラン対ウズベキスタンの強豪対決は、ともに、すでに準々決勝進出を決めていたため、ターンオーバーを使った試合だった。
ウズベキスタンは中盤にフォミンというMFがいて、パスを使って攻撃を展開する。フォミンはこれまでの2試合ではあまり出場機会がなかったが、まるでクロアチアのルカ・モドリッチをほうふつさせる古典的なプレーメーカーだった。ポゼッションでも60%を超え、シュート数でもイランを上回った。
■苦戦した「個の力」を前面に押し出すチーム
ただ、シュートが枠を捉えられずにスコアレスで折り返すと、後半の立ち上がりにイランが2点を先行する。カウンターでモレディが持ち込み、左のマズラエにパスが通り、マズラエの強烈なシュートが決まったのが52分。さらに66分には、モレディがボックス内に走り込むと、そこにデーガムのスルーパスが通り、ウズベキスタンGKのファウルを誘ってPKを獲得。ゴリザデが決めて2点差とし、終盤のウズベキスタンの猛攻を1失点でしのいで勝利した。
日本はグループリーグでシリアに苦戦して、韓国には優勢に戦った。シリアは個の力を前面に押し出して戦うチームだった。組織で守れず、1対1では抑えきれない。
■韓国戦でつかんだ「チームとしての流れ」を!
一方、最近の韓国は日本と同じように、パスをつないで組織で戦うチームを目指している。いわば、同タイプなのだ。こういう相手には、日本は強い。それが、最近あらゆるカテゴリーで韓国に対して優位に立てている原因だ。
そうした点を考えると、ウズベキスタンとイランはチーム力としては同等だが、スタイルとしては日本にとってイランのほうがやりにくい相手と言えるのではないだろうか。
イランは3戦目にはターンオーバーを使ったうえ、休養日が日本より多い。日本にとって難しい状況だが、韓国戦でつかんだチームとしての流れをそのまま持ち込んでワールドカップへの切符をつかみとってほしい。