(22日、サッカーJ1 鹿島アントラーズ4―0東京ヴェルディ) 決めればハットトリック達成、という絶好機を「相棒」に譲…

 (22日、サッカーJ1 鹿島アントラーズ4―0東京ヴェルディ)

 決めればハットトリック達成、という絶好機を「相棒」に譲った。

 2得点を挙げて迎えた前半40分過ぎ、鹿島のFWレオセアラはPKを獲得した。ただ、FW鈴木が「(ボールを)くれ」と近寄って要求した。「FWは1点とれば、全然流れが変わる。早めに点をとりたかった」

 レオセアラも、その気持ちを理解した。「チームが勝つためには、FWが自信をつけることも大事」。鈴木はPKを成功させ、さらに1点を加えた。

 そんなやりとりに鹿島の礎を築いた元ブラジル代表、ジーコの言葉を思い出した。「最近は選手個人が記録にフォーカスしすぎている。大事なのはアントラーズが勝つためにプレーすることだ」

 ブラジル出身のレオセアラが鹿島を選んだのは「(国内では)ジーコで有名なクラブだから」という理由もあったという。ストライカーとしてのエゴと、チームの勝利を優先する献身性。26年ぶりに古巣に復帰した鬼木新監督の初勝利は、クラブの哲学を体現した2トップがもたらした。(照屋健)

■鬼木監督「ホッとした」

 鬼木監督(鹿) 初勝利。「ホッとした。自分が求めていることに恐れることなく取り組む選手たちが頼もしかった」

 城福監督(ヴ) 2連敗。「負けられない試合でのプレー選択がこのチームはまだまだつたない。ヘッドダウン(下を向く)をしないようにアプローチしたい」