2025年のJリーグが開幕した! オフの間も、新チームの姿を想像する楽しい時間ではあるが、開幕戦を戦ったことで新チーム…

 2025年のJリーグが開幕した! オフの間も、新チームの姿を想像する楽しい時間ではあるが、開幕戦を戦ったことで新チームの姿も、おぼろげながら見えてきた。今年は、どんなシーズンになるのか、また、優勝や降格、サプライズを起こすクラブはどこか? ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が、新情報なども踏まえて、徹底的に語り尽くす!

■考えどころは濃野公人の「ポジション」

――鬼木達新監督を迎えた鹿島アントラーズはどうでしょうか。

後藤「駒がいっぱいあるから、前のほうの組み合わせが決まれば強くなると思う。決定まで、どれくらい時間がかかるかなあ。でも、横浜F・マリノスほど、時間はかからないと思う。1か月くらいたったら、ある程度、固まってくるんじゃないかなと思うけど」

大住「他のビッグクラブと比べて鹿島の利点は、ACLがないので国内の試合に集中できること。そういう意味では、戦いやすいシーズンだと思うよね」

後藤「後ろのほうのメンバーは、去年と同じだからね」

大住「小池龍太が入ったくらいだね」

――開幕戦では昨シーズン活躍した濃野公人ではなく小池がサイドバックで先発し、濃野は交代でサイドハーフに入りました。

後藤「プレシーズンマッチのいばらきフェスティバルで濃野は、サイドバックで起用されていたけど、本当に高い位置からスタートしていたからね」

大住「彼のシュート力は魅力だから、前で使いたくなるのも分かるよね」

後藤「去年は後ろからすーっと上がってきて、最後にシュートを打つところに顔を出していた。前で使うとチャンスメイクが仕事になってくるから、使い方がだいぶ変わるなという感じ。濃野のポジションもどちらがいいのか、考えどころだろうね」

■「消えていた」21得点のレオ・セアラ

――昨季21得点のレオ・セアラを獲得しましたが、開幕戦ではあまりプレーに参加できていませんでした。

後藤「そうなんだよ。ピッチ上にはいるんだけど、ほとんどプレーに関わっていかなかった」

大住「昨季残留争いをしていた湘南ベルマーレに負けたうえ、シュート数は湘南の13本のほぼ半分、7本どまりというのはちょっと寂しいよね」

後藤「良い選手がいっぱいいるのに、水戸戦からずっと、組み合わせがうまくいっていない」

大住「期待の年代別代表FW、徳田誉はどうなの」

後藤「水戸戦では、反転からすごいシュートを打っていたよ。彼は真ん中で固定されるCFで、鈴木優磨は動き回るのが魅力。いろいろなタイプの選手がいるので、組み合わせの正解を早く見つけられるかどうかだね」

――さらに鬼木監督の色を重ねていけるか、でしょうか。

大住「鬼木監督の色って、どういう色なんだろう」

後藤「そうそう、色がよく分からない。川崎では技術の高い選手がいっぱいいるチームを引き継いだから、その良さをうまく活かしていただけ」

大住「良さをうまく使って、いかに勝っていくかという力はすごかったと思うけど、どういうサッカーをしたいのかは分からない。スタイルよりも、勝負に一番こだわるタイプだよね」

■「5年間で4回優勝」鬼木監督のこだわり

後藤「本当に鹿島らしい人だよ。川崎では、面白い選手やサッカーをつくるのが好きで、優勝することはあまり考えない風間八宏監督がつくったチームを引き継いで、優勝させたわけでしょ。鹿島では、また違うタイプの選手がそろっている。そうなったなら、川崎時代とは違うことをすると思うけどね。スタイルにこだわる人じゃないと思う」

大住「とはいえ、あれだけの名手がそろっていた川崎ではあっても、4回もリーグ優勝するというのはすごいことだよ」

後藤「選手の入れ替わりもあったし、それでもうまく回しながら5年間で4回優勝でしょ。それはすごいよね。守田英正なんて、最初はフロンターレにフィットするのかなあと思っていたら、ポルトガルの名門で活躍する大選手になっちゃった。線の細かった田中碧だって、今ではイングランドにいる」

――選手の見極めに優れる鬼木監督だから、最適解発見まで時間がかからないという予想でしょうか。

後藤「それに、スタイルじゃなくて勝負にこだわる人で、勝つために何とかしようということをするだろうから、そんなに時間はかからないと思う」

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