島根県浜田市で3月2日に開かれる日本ブラインドサッカー協会主催のリーグ戦に、同市を拠点とする「島根オロチビート浜田」が…

 島根県浜田市で3月2日に開かれる日本ブラインドサッカー協会主催のリーグ戦に、同市を拠点とする「島根オロチビート浜田」が出場する。チームは、昨年6月に急逝した前代表の思いを胸に、県内初開催のリーグ戦に臨む。

 ブラインドサッカーは、視覚障害者、晴眼者がともにピッチに立つ。アイマスクをつけたフィールドプレーヤー4人と晴眼者または弱視者が務めるゴールキーパーの5人同士で対戦する。音が鳴るボールと仲間の声、走る音、気配、キーパーや監督らの指示を頼りに相手ゴールにシュートを放つ。

 オロチビートが結成されたのは2019年。当時、浜田市消防本部に勤めていた視覚障害者の拝上誠さんが、障害者と健常者のチームワークで成り立つ競技を広め、社会でも同様の共生を唱えようと消防本部の同僚らと立ち上げ、代表にも就いた。メンバーに対し、「障害と苦手は同じで、苦手なことは手助けすればできる」といつも話したという。

 だが、地元でのリーグ戦の開催が決まり、競技の体験会や飲食ブースなどの運営準備を進めていた矢先の昨年6月、がんで49歳で亡くなった。

 代表を引き継いだのは、島根県出雲市で建築業を営む岡健司さん(47)。島根県立盲学校高等部2年生の長男桐生(とうき)さん(17)とともにチームで活動していた。

 桐生さんは生まれつき視力が弱かった。地域の小学校に通ったが、球技には参加できずつらい思いをしていた。小学5年生のときに、拝上さんが開催したオロチビートの体験会に参加。「視覚障害でもできるスポーツがあるとは思わなかった」とときめいたという。

 桐生さんは「障害者だからできないとか、やらせることはできないとかではなく、教えてもらえればできる」と、拝上さんの言葉を胸にリーグ戦に出場する。健司さんも「拝上さんに勝利を届けたい」と話す。

 全国4地域別のトップを争う「地域リーグ2024」の西日本リーグは3月2日午前10時から、サン・ビレッジ浜田(島根県浜田市上府町)で開かれる。オロチビート、山口市、福岡市、北九州市を拠点とするチームの計4チームでトーナメントを争う。入場無料。(高田純一)