3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会の出場校が24日、決まった。各地では、甲子園切符をつかんだ選手たちの…
3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会の出場校が24日、決まった。各地では、甲子園切符をつかんだ選手たちの喜びが広がった。
2年連続4回目の出場を決めた日本航空石川。前回の出場決定は能登半島地震の発生直後で、部員の一部が避難先の系列校(山梨県)で結果を待つ形だったが、今回は能登空港に隣接する学校キャンパス(石川県輪島市)で吉報を受けた。及川蓮志主将(2年)は「甲子園で頑張る姿を見てほしい」と、被災者らに活躍を誓っている。
同校は地震で被災し、昨年春以降は東京都青梅市に一時移転している。一方、野球部員らは昨年5月までに全員が輪島に戻れた。ただ、学校施設は傷み、水道は一部しか使えない状況だった。また学校は災害復旧の拠点になっており、全国から大勢の公務員やボランティアらが集まっていた。そんな中、食事中に声を掛けられたり、野球好きの人が練習を見に来てくれたりと交流があったという。
秋季県大会の期間中だった昨年9月21日、今度は記録的豪雨が能登を襲い、輪島市で1000棟超の住宅被害が出た。現地で人手が足りないと聞き、部員たちは災害ボランティアに参加。浸水した住宅・店舗から泥をかき出し、家具を運び出した。2日間、スコップで泥を取り除く作業に没頭した及川主将は「『ありがとう』『頑張ってね』と声を掛けられた」と振り返る。
岩手県宮古市の中学出身。ボランティア活動を通じて、大切な場所である輪島への思いをさらに強くした。青梅でも生徒が募金活動をし、有志が能登にボランティアにも入ったという。被災地の期待を背負って出場した昨春のセンバツは1回戦で0―1と惜敗。中村隆監督は「思い切って日本一にチャレンジしてほしい」と選手を見守る。
能登半島地震による火災で輪島市の朝市通りにあった店が焼けた中華料理「香華園」の店主、板谷吉生さん(49)は、学校に隣接する空港敷地内で仮設店舗を営んでいる。「子供たちが大変な中でも頑張っている姿を見てきたので、本当にうれしい。被災地のみんなが勇気づけられるプレーで優勝してほしい」と願った。輪島市の元公務員の男性(69)は「輪島にとって明るいニュース。全力プレーで力を出し切り、勝ち上がってほしい」と期待した。
日本航空石川ナインが飛躍する春は、目前に迫っている。【深尾昭寛、国本ようこ】