3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会。主役候補となる投打の注目選手を紹介します。2回目は東洋大姫路(兵庫…
3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会。主役候補となる投打の注目選手を紹介します。2回目は東洋大姫路(兵庫)の阪下漣投手(2年)。完成度の高い世代屈指の右腕に迫りました。
「古豪復活」託された投手
左腕を高く上げる躍動感ある投球フォームから、四隅を丁寧に突く制球力は抜群だ。身長181センチ、体重87キロの体格から投げ込む直球は最速147キロを誇る。「持ち味はコントロール。どのカウントでも、真っすぐでも変化球でも勝負できる」という言葉から自信がにじむ。
昨秋の公式戦では防御率0・83で、チームを17年ぶりの近畿王者に導いた。「勝てたのは阪下のおかげ。いつも冷静に投げるし、性格も投手向き」。履正社(大阪)を強豪に育て上げ、母校を率いて3年目になる岡田龍生監督(63)もエースに絶大な信頼を置く。
スライダー、カットボールのキレはいい。要所で球の威力や精度が上がり、投球術にもたける。選抜出場32校の投手で最多の86回余りを投げ、9完投とスタミナも十分にある。
甲子園球場がある兵庫県西宮市出身。幼い頃からプロ野球や高校野球に親しんだ。2019年、小学6年の時に夏の甲子園決勝を現地で観戦。初優勝した履正社を率いた岡田監督の姿が印象に残り、進学の決め手になった。
入学時の最速は130キロ程度で体も細身だった。指揮官に体作りをアドバイスされ、自主的に毎晩約1500グラムの白米を食べ、秋には体重が20キロ増の93キロに。さすがに動きが鈍くなったため、今は筋肉量も増やしながら、90キロ前後に保つ。「努力したら実る。継続することの大事さがわかった」とうなずく。
冬場は「自分は底辺」と言い聞かせ、課題である球威の向上に取り組んだ。昨秋は変化球でかわすうまさが光った一方で「真っすぐで空振りが奪えなかった」と物足りなさを感じたからだ。センバツでの目標は日本一と最速で150キロの計測。三振を狙うためのフォークの習得にも励む。
チームメートによると、学業も優秀で達筆だが、不思議な一面があるという。「自覚は全くないのですが、みんなに『変人』と呼ばれるんです」と笑う。野球以外でも魅力あふれる世代屈指の右腕が、選抜では08年以来勝利から遠ざかる「古豪復活」のカギを握っている。【長宗拓弥】
<次回は17日朝、明徳義塾(高知)の池崎安侍朗投手(2年)を公開する予定です>