世界最速のラリーカーが競いあう世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」が日本時間16日に最終日を迎えた。初優勝を狙う日本人ドライバーの勝田貴元は、惜しくも総合2位でフィニッシュしたが、観客を魅了する渾身の走りが注目を集めた…

 世界最速のラリーカーが競いあう世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」が日本時間16日に最終日を迎えた。初優勝を狙う日本人ドライバーの勝田貴元は、惜しくも総合2位でフィニッシュしたが、観客を魅了する渾身の走りが注目を集めた。

【映像】まさに異次元!“40m”大ジャンプの瞬間

 最終日デイ4、最終のパワーステージ・SS18は走行距離8.62kmのショートステージ。朝から天気は良好だったがコースは雪で覆われており、また一部ではアイスバーンや雪が溶けている箇所もあるなど、非常に攻略が難しいコンディションとなっていた。

 日本人唯一のフル参戦ドライバー・勝田貴元(トヨタ)は、ここまで同僚エルフィン・エバンスと総合トップ争い続けてきたが、SS18スタート前の時点では、3.7秒差の2位につけていた。スタートは順位後方の勝田のほうが先。いきなり攻めていくかと思いきや、前半はやや抑え気味に走り、後半になると徐々に加速感を増していく。順調に走ってフィニッシュすれば表彰台は確実だが、勝田が目指したのは表彰台の頂点だった。

 終盤、ひとつ目のジャンプスポットでは勢いをつけてビッグジャンプ! 40mの看板を超えるほどの飛距離を出すと、同地点のタイム計測では暫定トップタイムを叩き出す。そして、続くS字コーナーエリアでは、クルマが横転してしまいそうなほど激しいコーナリングを見せた。さらに、2つ目のジャンプスポットでは車体が斜めのまま突入し、見事な着地を成功させている。

 解説のピエール北川氏が思わず「現地実況もめっちゃ盛り上がっている!」と言及するほど、観るものを感動させる全開アタックを決めた結果、勝田は暫定トップだったヒョンデのティエリー・ヌービルを0.7秒上回るタイムを計測した。

 最終的にエバンスにステージタイムで0.1秒追い抜かれてしまったものの、視聴者からは「感動した」「斜めのジャンプしびれた」「すげえわ」「よくやった!!!」「TAKA見事!」「泣きそう」などのコメントが並び、結果は2位でもファンに夢と感動を与えた異例の全開走行となった。

(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)