23年11月以来の代表抜擢となった佐藤。(C)Getty Images 連覇への期待が高まるワールド・ベースボール・クラシックまで約1年。井端弘和監督率いる日本代表は、チーム強化に向けた準備を続けている。 2月14日には、3月5、6日に京セ…
23年11月以来の代表抜擢となった佐藤。(C)Getty Images
連覇への期待が高まるワールド・ベースボール・クラシックまで約1年。井端弘和監督率いる日本代表は、チーム強化に向けた準備を続けている。
2月14日には、3月5、6日に京セラドーム大阪で開催されるオランダ代表との強化試合に向けたメンバーを発表。「良いものを見せてほしい」と期待を寄せた井端監督は、昨年11月のプレミア12から20人を入れ替える大刷新を敢行。新戦力の発掘とともに、侍ジャパンの底上げを図った。
【動画】長打力は半端ない!佐藤輝明が放った圧巻の満塁弾シーン
無論、レギュラーシーズンの開幕を控えた中での強化試合だけに、メンバー選考に苦慮した面は少なからずあるだろう。それでもフレッシュな顔ぶれに期待がないわけではない。実際、会見を目の当たりにしたファンからはX上で「大きく替わったのはびっくり」「楽しみな選手が多い」「国際試合で戦える選手の見極めだろうな」といった意見が相次いだ。
投打でさまざまな顔ぶれが集まった中で異彩を放つのは、いわゆるホットスポットと言われる三塁手として抜擢された佐藤輝明か。23年11月以来となる侍ジャパン入りとなったのだが、2軍落ちも経験した昨季の成績は打率.286、16本塁打とやや精彩を欠いただけに、サプライズ的な選考とも言えよう。
もっとも、「本番を想定してやっていきたい」と語った井端監督のコメントを鵜呑みにして考えれば、三塁はWBC本大会に向けては“懸案事項”になりえる。というのも、三塁起用も考えられる岡本和真と村上宗隆は来オフのメジャー移籍の可能性が小さくない。とくに後者は昨年の契約更改時に「来シーズンは日本でやる最後のシーズンになると思います」と断言。仮にMLB球団との移籍交渉がスムーズに進めば、来年3月の大会参加ができないというのは現実的な問題ともいえる。
先述したプレミア12においては、三塁は牧秀悟や栗原陵矢、紅林弘太郎がプレー。打線の中軸を担ったが、その競争に阪神打線の核となっている佐藤が加われば、攻撃の厚みが増すのは間違いない。
また、井端監督は会見において「なかなか上位対決になると連打というのは見込めない。長打というのは一つのカギを握っているのかなと思う」と明言。打者の長打力を重視している傾向も見えるため、粗削りながらISO(.100以上あれば“一流”とされる純然たるパワーを表す指標)が.171とNPBでも屈指のパワーを秘める佐藤に期待を寄せるところは大きいと言えよう。
果たして、久々に日の丸を背負うスラッガーがいかなる化学反応を引き起こすか。活躍に注目するのは、虎党だけではないはずだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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