■昨季4位の山形はピンポイント補強で底上げ J2リーグのJ1昇格候補として、V・ファーレン長崎、ベガルタ仙台、ジュビロ磐…
■昨季4位の山形はピンポイント補強で底上げ
J2リーグのJ1昇格候補として、V・ファーレン長崎、ベガルタ仙台、ジュビロ磐田、北海道コンサドーレ札幌の4チームに注目してきた。この4チーム以外にも、J1昇格を射程圏内とするチームはある。ここではその他の16チームから、リーグの主役と成りうるチームを取り上げる。
昨シーズン4位のモンテディオ山形は、J1昇格争いに確実に加わってくるだろう。昨シーズン途中にMF土居聖真、FWディサロ・燦・シルヴァーノを獲得し、一気にチーム成績を向上させたチームに、さらなる戦力アップを促すタレントがピンポイントで加わっているのだ。
ひとり目はMF中村亮太朗だ。昨シーズンは清水エスパルスでダブルボランチの一角を担い、36試合に出場した。ボールハントと展開力を兼ね備えた彼の加入で、中盤セントラルの選手層はさらに熱くなった。J1昇格の体験者としても頼もしい。
ふたり目は吉尾海夏だ。右サイドを主戦場とするレフティーで、同じポジションのMFイサカ・ゼインとは異なる個性で攻撃を活性化できる。渡邉晋監督とは19年のベガルタ仙台で共闘しており、J2では21年のFC町田ゼルビアで10得点10アシストの実績を残したこともある。22年以降は所属元の横浜F・マリノスで数字を残せなかったが、ポテンシャルを解放すればチームの中心にもなれるだろう。
後藤雅明がV・ファーレン長崎へ移籍したGKには、新たな守護神も確保している。オーストラリアで年齢別代表の経験を持つトーマス・ヒュワード=ベルを迎えたのだ。
オーストラリアはアジア有数のGKファクトリーで、190センチのサイズを誇るヒュワード=ベルはJ2でトップレベルのクオリティを備える。チーム内の連携を確立すれば、後藤に負けないプレーを見せていくはずだ。
前線ではジョージア代表経験を持つFWベカ・ミケルタゼがスカッド入りしている。オーストラリアや韓国のクラブに在籍してきた27歳は、185センチのサイズで両足をスムーズに使う。前線からのプレスに意欲的で、FKのキッカーを務めることができる。決定力を示しつつ、攻撃の幅を拡げることも期待される。
■千葉は小森の移籍をどうカバーするか?
昨シーズン7位のジェフユナイテッド千葉は、昨シーズン得点王のFW小森飛絢がベルギー1部のシント=トロイデンへ期限付き移籍した。絶対的な得点源を失ったものの、ロアッソ熊本で昨シーズン10ゴールのFW石川大地を迎えた。さらにブラジル人FWのデレク・フレイタス・リベイロ、登録名デリキを獲得した。185センチのサイズを持つレフティーで、CFでもウイングでもプレーできる。小林慶行監督がどのポジションで起用するのかに注目だ。
昨シーズン24試合出場の藤田和輝が所属元のアルビレックス新潟へ復帰したGKには、J2当時の京都サンガF.C.で試合出場を重ね、昨シーズンはV・ファーレン長崎に在籍した若原智哉を獲得した。その若原がプレシーズンに長期離脱を強いられるケガを負ったことから、2月6日にスペイン人守護神のホセ・アウレリオ・スアレスの加入が発表された。22年から24年まで徳島ヴォルティスで92試合に出場してきた29歳は、昨シーズンリーグで9番目に多かった(上位陣では最多だった)失点を減らすことが期待される。
DF鳥海晃司、DF河野貴志も、失点減を実現するためにやってきた。鳥海はJ1のセレッソ大阪から20年以来の復帰を果たした。河野はブラウブリッツ秋田の最終ラインを支えてきた人材だ。昨シーズンはケガの影響で14試合出場に止まった主将の鈴木大輔、佐々木翔悟、松田陸らが競争を繰り広げることで、最終ライン中央が盤石になっていくだろう。DFラインの複数ポジションをこなすDF前貴之の加入も頼もしい。