■主力の移籍は新戦力の台頭を促すか J2リーグの有力チームを展望するシリーズの第4回は、北海道コンサドーレ札幌を取り上げ…

■主力の移籍は新戦力の台頭を促すか

 J2リーグの有力チームを展望するシリーズの第4回は、北海道コンサドーレ札幌を取り上げる。

 オフの移籍市場では、複数人の主力選手が移籍した。DF岡村大八(33試合出場2得点。成績は昨シーズンのもの、以下同)、MF駒井善成(36試合出場6得点)、MF浅野雄也(22試合出場4得点)、FW鈴木武蔵(32試合出場6得点)、FW菅大輝(34試合1得点)が、J2降格に伴ってチームを離れることとなった。19試合に出場した元日本代表MF小林祐希もクラブを離れた。

 計算できる戦力を失ったのは、間違いなくマイナスである。一方で、引き続き札幌で戦うことを選んだ選手も多い。MF宮澤裕樹やMF荒野拓馬のように、求心力を持った選手もいる。

 主力が離脱したポジションでは、スタメンを巡る争いが激しさを増す。これまで出場機会が限られていた選手が、プレータイムを得ることで一気に成長することも有り得る。

 チームはミハイロ・ペトロヴィッチ監督に別れを告げ、岩政大樹監督のもとでリスタートを切る。古巣の鹿島アントラーズとベトナム1部のハノイFCで采配をふるってきた指揮官のもとで、活性化されたチームがJ1昇格争いに絡んでいくとの予想は成り立つ。

■ベルギー1部から高嶺が「男気復帰」

 補強の目玉は高嶺朋樹だ。アカデミー育ちで筑波大学を経てトップチームデビューを飾ったボランチが、22年シーズン以来の“男気復帰”を果たした。23年から24年7月まで柏レイソルでプレーし、昨シーズンはベルギー1部のコルトレイクに在籍した27歳は、デュエルに強くボールを回収能力が高い。レンジの異なるパスを駆使してゲームを展開し、ドリブルで自ら持ち出すこともできる。中盤の軸として機能していくだろう。

 岩政監督からは、キャプテンに指名された。本人も「チームに戻ってきたときから、引っ張っていこうと思っていた。今年の目標であるJ1昇格へ向けてチーム一丸となって、サポーターのみなさんと一緒に達成したい」と強い決意を口にしている。

 そのほかの新加入選手では、FW中島大嘉が期限付き移籍から復帰した。昨年はJ2の藤枝MYFCと水戸ホーリーホックでプレーしており、藤枝では6試合無得点に終わったものの、水戸では13試合4ゴールの数字を残した。188センチのサイズを持つ「大器」も、プロ5年目を迎えている。プロ1年目から3年目まで着けた「45」を再び背負い、飛躍のシーズンとすることができるか。

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