■J2で実績アリの佐藤凌我が前線に加入 J2リーグの有力チームを展望するシリーズの第3回は、ジュビロ磐田を取り上げる。 …

■J2で実績アリの佐藤凌我が前線に加入

 J2リーグの有力チームを展望するシリーズの第3回は、ジュビロ磐田を取り上げる。

 オフの移籍市場では、昨シーズン得点ランキング3位タイのFWジャーメイン良のサンフレッチェ広島移籍が大きく報じられた。パリ五輪代表CB鈴木海音、26試合出場のMF平川怜も揃って東京ヴェルディへ移籍し、チームの支えとなってきたMF山田大記が現役から退いた。DF伊藤槙人、MF金子翔太、MF藤川虎太朗らもチームを離れている。

 その一方で、即戦力を大量に獲得した。

 ジャーメインが抜けた前線には、FW佐藤凌我をアビスパ福岡から獲得した。福岡で過ごした23年、24年はケガの影響もあって得点を伸ばせなかったが、プロデビューを飾った東京ヴェルディでは21年、22年に13ゴールをマークしている。プレータイムを刻めば、2ケタ得点は計算できるはずだ。

 前線には昨シーズン7得点のFWマテウス・ペイショット、セレッソ大阪から完全移籍に切り替わったFW渡邉りょうも控える。誰がスタメンでピッチに立っても、対戦相手に脅威を与えられるだろう。

 今シーズンからチームを指揮するジョン・ハッチソン監督は、4-3-3を採用することが予想される。CFの候補はペイショット、渡邉、佐藤の3人だが、彼らのうちふたりを縦関係で起用することも考えられる。

 中盤には金子大毅が加入した。湘南ベルマーレ浦和レッズ京都サンガF.C.でプレーしてきた26歳は、ボール奪取能力と展開力に優れたハードワーカーである。

■中盤セントラルの競争は熾烈

 金子と同じセントラルMFでは、相田勇樹も獲得した。21年から23年までJ3のヴァンラーレ八戸で主軸を担い、昨シーズンはJ2のレノファ山口FCで31試合に出場した。運動量豊富にボールに絡み、テンポ良くボールをさばいて攻撃にリズムを生み出す。

 セントラルMFは金子、相田の新戦力に加えて、上原力也、レオ・ゴメス、中村駿らが争う。昨シーズンは右サイドバックで起用された植村洋斗も、本来の中盤で定位置奪取を期す。スタメンを巡る競争は苛烈と言ってもいいほどだ。

 中盤には倍井謙も加わった。名古屋グランパスから期限付き移籍の23歳は、左サイドで違いを生み出せるドリブラーだ。4-3-3のシステムでは、左ウイングが主戦場となるだろう。

 特別指定選手を経て今シーズンから正式に加入したMF角昂志郎も、左ウイングの候補者だ。パスの出し手、受け手のどちらでも、高いクオリティを発揮できる。セレッソ大阪から完全移籍でやってきたMF為田大貴も、このチームでは左サイドでの起用が見込まれる。保有戦力を無駄なく活用するために、ハッチソン監督は選手の配置転換を検討するかもしれない。

 昨シーズンはJ3のギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍した藤原健介は、かつて大津祐樹が着けた「77」でリスタートをきる。 22年のトップチーム昇格からなかなかプレータイムを得られなかったが、北九州ではセントラルMFとトップ下で起用され、4得点5アシストを記録した。アカデミー出身としても、飛躍が期待されるひとりだ。

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